ゴールドマン24%減益、1MDB関連費かさむ 10~12月
【ニューヨーク=宮本岳則】米金融大手ゴールドマン・サックスが15日発表した2019年10~12月期決算は、純利益が19億1700万ドル(約2100億円)となり、前年同期比で24%減った。減益決算は4四半期連続。マレーシア政府系ファンド「1MDB」を巡る不正問題で、当局との和解や訴訟に備えた引当金を積み増し、利益を押し下げる要因となった。クレジットカード事業の立ち上げに伴う費用も重荷となった。

粗利益にあたる純営業収益は前年同期に比べて23%増の99億5500万ドルだった。資産運用事業とトレーディング事業が収益を押し上げた。1株あたり利益は同22%減の4.69ドル。ゴールドマンを調査する証券アナリストの事前予想平均(5.39ドル、ファクトセット調べ)を下回った。
10~12月期は訴訟や将来の罰金支払いに備えた引当金の計上が増えた。マレーシア政府系ファンド「1MDB」を舞台とした汚職に関連した引当金は11億ドル。ゴールドマンは元幹部が汚職に関わったとして、米司法省の調査を受けており、和解に向けた交渉を続けている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは罰金額が20億ドル程度になると報じていた。
ゴールドマンは収益の安定を目指して、事業構造の見直しを進めている。注力するのは消費者向け金融ビジネスだ。16年にインターネット銀行事業を立ち上げたのに続き、19年8月からアップルと組み、クレジットカード事業を始めた。ゴールドマンは「アップルカード」向けのコールセンターや決済を処理するシステムに大型投資を実施しており、家賃や減価償却費が増えた。