バイデン氏「米軍は中東に残す」 米民主討論会
中東外交めぐり温度差 リベラル派は慎重

トランプ政権
北米
2020/1/15 20:54
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【デモイン(米アイオワ州)=永沢毅】11月の米大統領選に向けて野党の民主党は14日、候補指名争いの初戦となる予備選を2月に控える中西部アイオワ州で、今年初のテレビ討論会を開いた。米国とイランの対立激化を受け、外交・安全保障政策が焦点に浮上。トランプ政権の対イラン政策への批判で候補者は足並みをそろえたが、米国の海外への関与のあり方では、バイデン氏が米軍を「中東に残す」とした一方、ウォーレン氏が完全撤退を主張するなど温度差が浮かんだ。

14日のアイオワ州での民主党の討論会に参加したウォーレン氏、バイデン氏、サンダース氏(左から)=ロイター

14日のアイオワ州での民主党の討論会に参加したウォーレン氏、バイデン氏、サンダース氏(左から)=ロイター

14日の討論会で最も注目を集めたのは、中東を核とした外交・安保政策だった。トランプ政権によるイラン革命防衛隊の司令官殺害で先週は米イランが一触即発の状態に陥った。「私はイランとの核合意を導いた一人だ。米国に友好的でない国とも協力した」。オバマ前政権で副大統領だったバイデン氏は2015年の核合意を推進した実績をこう強調した。

各候補はアフガンやイラクの駐留米軍の早期撤収ではおおむね足並みをそろえる。ただ、ウォーレン氏は「軍事的に解決できない問題を米軍に求めるのはやめるべきだ」と完全な撤退を主張した。一方、バイデン氏は「ペルシャ湾周辺の警戒にあたる米軍は中東に残す」と表明し、ウォーレン氏とは一線を画した。

両者の発言は、世界各地の紛争解決に米国がどれだけ関与するかについての温度差を反映している。バイデン氏はある程度の関与を続けるのはやむなしとの立場だが、ウォーレン氏は否定的だ。サンダース氏もウォーレン氏と同じ考えで、米軍の介入に消極的なトランプ大統領にむしろ近い。

01年から戦闘が続くアフガニスタン戦争に関しても、ウォーレン氏が「米軍の幹部から『ヤマは越えた』と何回聞いただろう」と名指しを避けながらもバイデン氏を攻撃した。オバマ前政権がめざしたアフガン戦争の早期終結は失敗。米軍が劣勢を隠蔽しようとした米政府の内部報告書も19年12月に報じられた。

世論調査で首位を維持するバイデン氏は副大統領だけでなく、上院外交委員長を務めた経歴から外交政策に強みがあると自負する。核合意には中国やロシアも参加しており、困難な交渉をまとめ上げられるとアピールした。

もっとも、こうした「経験」は他の候補からの攻撃材料にもなる。バイデン氏がイラク戦争の開戦に加担した点を批判してきたリベラル派のサンダース氏はこの日も「私は戦争に反対したが、彼は違った捉え方をした」と当てこすった。02年にイラクへの武力行使を当時のブッシュ(子)政権に認めた決議にバイデン氏が賛成したことを何回も指摘し、同氏は「間違いだった」と釈明した。サンダース氏は反対票を投じている。

テレビ討論会は今回で7回目。世論調査の支持率と献金実績で参加者が絞られ、人数は初回の20人から6人に減った。このうちバイデン前副大統領とサンダース、ウォーレン両上院議員に加えてインディアナ州サウスベンド前市長のブティジェッジ氏の4人が接戦を繰り広げている。

アイオワは2月3日に全米で先駆けて予備選の初戦となる党員集会が開かれる重要州だ。制すればその後も勢いに乗れるだけに、同じリベラル派として互いに批判を控えていたサンダース氏とウォーレン氏も14日はさや当てを演じた。

ウォーレン氏は前日13日に、サンダース氏が18年12月に「女性では大統領選に勝てない」と発言したと明らかにした。サンダース氏はこの日の討論会で「そんなことは言っていない」と否定したが、ウォーレン氏は「そうではない」と反論。「バーニー(・サンダース氏)は友人だ。ここで争うつもりはない」と矛を収めてみせたが、両氏は討論会が終わった後に握手を交わさなかった。

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