埼玉県内、官民で保育士負担軽く 昼寝記録にIoT

関東
埼玉
2020/1/15 19:09
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IoTを昼寝中の子どもの見守りに役立てる(埼玉県川口市)

IoTを昼寝中の子どもの見守りに役立てる(埼玉県川口市)

埼玉県内で保育分野に新技術や民間ノウハウを活用する動きが広がっている。人工知能(AI)を活用して保育士の業務負担を軽減したり、転職支援会社と連携し保育園向けに採用活動を支援したりする。保育需要が膨らみ人材獲得競争が激しさを増すなか、人の確保とともに質向上にもつなげる狙いがある。

埼玉県は民間企業と行政サービスの向上を図る事業「サイコロ」の一環で、保育園向けIT(情報技術)サービスのユニファ(名古屋市)と連携し、保育士の負担軽減を図る「スマート保育園」を実証実験している。戸田市や川口市の保育園計10カ所で、IoTやAIを駆使。昼寝中の子どもの身体の動きや向きを検知する「ルクミー午睡チェック」や、額にかざすだけで検温から端末への記録まで5秒でできる「ルクミー体温計」で保育士の業務を補助する。2月からはさいたま市の保育園5園も参加する。

午睡チェックはバッジのようなセンサー機器を園児の衣服に取り付けて使う。睡眠中の体の向きを自動でタブレット端末に記録し、記入の手間を省ける。うつぶせの状態が1分以上、体動の停止が20秒以上続くと警告が鳴り、安全性の向上にもつなげられる。

実証実験に参加する川口市の認可保育園「フォーマザー西立野保育園」の保育士の一人は、新機器の活用は「精神的な安心感につながっている」と話す。内閣府によると、18年は認可保育園などで9件の死亡事故が発生。うち8件が睡眠中の事故だった。

新技術の導入は保育士の定着にも一役買いそうだ。同園の辻智歌子園長は「人材定着には保育士が精神的な余裕をもって、子どもと向き合う時間に集中でき参加する環境づくりが必要。新技術導入はその一助となる」と指摘する。

一方、埼玉県戸田市は保育士の転職支援会社「ネクストビート」と、自治体で初めて連携協定を結んだ。埼玉県南部を中心に通勤利便性など労働条件の優れる東京都への人材流出が課題の一つとなっており、ネクストビートのノウハウを活用することで、市内の保育園に保育士側のニーズの把握や採用活動強化につなげてもらう狙いだ。

同社の転職支援サービス「保育士バンク!」には13万人以上の保育士が登録している。同社が運営するサイトに戸田市の保育士向け支援などの情報を掲載したり、就職フェアなどに出展したりして情報発信を強化する。保育士に特化したキャリアアドバイザーによるセミナーも開催する。

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