カンボジア野党指導者、初公判 国家反逆罪で 制裁検討のEUが注視

東南アジア
アジアBiz
2020/1/15 18:29
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【ニャチャン(ベトナム南部)=大西智也】カンボジアで国家反逆罪に問われた野党指導者ケム・ソカ氏の初公判が15日、プノンペンの裁判所で開かれた。同氏は保釈中で、同日にはフェイスブックに「国益に有害な行為を犯していない」と投稿した。法廷でも無罪を主張したもようだ。

ケム・ソカ氏はカンボジアの野党勢力に大きな影響力を持つ(2019年11月、プノンペン)=ロイター

欧州連合(EU)がこの裁判を注視しているとみられる。EUはカンボジアのフン・セン政権が野党を弾圧していると主張し、同国への経済制裁を検討している。ケム・ソカ氏は旧最大野党カンボジア救国党の共同創設者で、同国の野党勢力に大きな影響力を持つ。

カンボジアの輸出額の約4割はEU向けだ。主力は繊維製品。EUはカンボジアに、武器以外の全品目を無関税で輸出できる「EBA協定」に基づく優遇措置を与えているが、これを停止するかどうか2月に判断する見通しだ。この優遇措置を失うと、カンボジア製品は欧州での価格競争力を大きく低下させる可能性があり、フン・セン政権が強く懸念している。

ケム・ソカ氏は2017年9月、海外勢力と共謀して国家転覆を企てた疑いで逮捕された。党首を務めていた救国党は同年11月、裁判所の命令で解党に追い込まれ、同氏を含む主要な党員の政治活動も禁じられた。18年7月の下院選には有力な野党が参加できず、フン・セン氏を支える与党が全議席を獲得した。

懸念を強めたEUは19年2月、優遇関税の停止に向けた具体的な検討に入った。フン・セン政権は同年11月、ケム・ソカ氏の自宅軟禁を解除した。外国渡航や政治活動は引き続き認めていない。

もう一人の有力な野党指導者で救国党の党首も務めたサム・レンシー氏は海外に滞在。19年には帰国をめざしたが、カンボジア政府が周辺諸国と協力して阻止した。

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