福井にマリオット進出 北陸初、新幹線延伸にらみ駅前に

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2020/1/15 18:22
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再開発の進む福井駅西口(画像はイメージ、右側の棟が開業予定のホテル棟)

再開発の進む福井駅西口(画像はイメージ、右側の棟が開業予定のホテル棟)

米ホテルチェーンのマリオット・インターナショナルは北陸で初めて福井県に進出する。15日、JR福井駅西口に2023年にホテルを開業すると発表した。北陸新幹線が福井に延伸する同年に向けて駅西口で再開発が進んでおり、県は「駅前の顔」として外資系ホテルの誘致を目指してきた。有名ホテルの立地をきっかけに、都道府県別のインバウンド(訪日外国人)宿泊客数でワースト2位の現状打開を図る。

ホテルは福井駅西口の再開発エリアにある通称「三角地帯」で建設予定の複合ビルのホテル・オフィス棟内で営業する。名称は「コートヤード・バイ・マリオット福井」で、客室数は252室。最大1000人を収容するホールを備える。

ホテル・オフィス棟は地上27階建て、高さは県内最高となる120メートル。現在同じ場所で営業中のユアーズホテルフクイ(福井市)が所有し、運営をマリオットが担う形式をとる。

マリオットは「リッツカールトン」「ウェスティン」などのブランドで国内外7200カ所以上の宿泊施設を展開するホテルチェーンで、会員数は1億3000万人いる。日本国内では計44カ所でホテルを運営し、中価格帯ブランドの「コートヤード」は東京や大阪、長野県白馬村など5カ所にある。

記者会見するマリオット・インターナショナルのショーン・ヒル氏(左)と福井県の杉本知事

記者会見するマリオット・インターナショナルのショーン・ヒル氏(左)と福井県の杉本知事

アジア太平洋地域ホテル開発部シニア・バイス・プレジデントのショーン・ヒル氏は15日に福井県内で杉本達治知事と共に会見。進出理由について「世界の旅行者は大都市だけでなく、地方の小規模都市を探索したがっている。福井は壮大な自然や素晴らしい名所を持ち、豊富な海産物に恵まれた食の地。禅文化や恐竜博物館などもあり、ポテンシャルが高い」と話した。

杉本知事は「他県との比較では宿泊客を取られている面もあったが、それに対抗する1つの大きな武器を手にした。ホテル開業後は良い意味で見本になっていただいて、宿泊業、サービス業に何が求められているのかを学びたい」と話した。

■富裕層・訪日客に期待

北陸新幹線の敦賀延伸を3年後に控え、玄関口となる福井駅前の中核的宿泊施設が米マリオットに決まった。福井市内の客室数は約3500室と少なく、駅前には現在、ビジネスホテルしかない。延伸後に富裕層が来訪しても他県に宿泊需要を奪われる危機感があり、福井県にとって高級ホテルの誘致は悲願だった。

県はホテル誘致のため、2018年9月に企業立地促進補助金の対象業種を拡大し、200室以上で1000人規模のコンベンション機能を持つなど、一定の基準を満たすホテルには土地取得や建物建設に最大20億円を補助するとした。マリオット進出はこのインセンティブ制度の適用第1号となる。

同県企業誘致課の谷川由美子参事は「経営層や富裕層が泊まれる高級ホテルが福井にはなく、夜は金沢に戻ると聞いていた」と制度整備の理由を明かす。誘致のため、課員が1年半かけて国内外のホテル会社など30社以上を回ったという。

観光庁によると、18年の福井県の外国人延べ宿泊者数は前年比で24%増えたが7万5860人にとどまり、全国ワースト2位。石川県(97万人)、富山県(30万人)にも大きく水をあけられている。県はJR西日本などと連携し、新幹線延伸までに外国人延べ宿泊者数を30万人に増やす目標を掲げる。延伸後は1億3000万人以上の会員がいるマリオットの送客力が魅力となる。

もっとも金沢市では20年にハイアット、富山市では22年にヒルトンが進出するなど、宿泊客の取り合いは激化する。福井は金沢などのように観光地として高い知名度がないだけに、永平寺や県立恐竜博物館、伝統工芸といった観光資源をこれまで以上にアピールすることが必要だ。既存の宿泊施設もサービスを磨き、県全体でもてなし力を底上げすることが欠かせない。

(鈴木卓郎)

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