米民主、新証人の招致目指す 弾劾裁判、21日にも開始

トランプ政権
北米
2020/1/15 16:56
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【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領をめぐる議会上院の弾劾裁判が21日にも始まる見通しとなった。最大の焦点は裁判で、トランプ氏の「ウクライナ疑惑」の真相を把握するとされる新たな証人を招致できるかどうかだ。野党・民主党は招致を求めているが、与党・共和党は確約していない。早期の無罪確定を目指しているためだ。トランプ氏の罷免には共和党から多数の造反者が必要で、ハードルが高い。

米民主党のペロシ下院議長はトランプ大統領の弾劾決議の上院送付を保留してきた(14日、ワシントン)=ロイター

「米国民は真実を知らされるべきだ」。民主党のペロシ下院議長は14日の声明で、弾劾裁判ではウクライナ疑惑をめぐりさらなる追及が必要だとの考えを強調した。下院本会議は15日、トランプ氏の弾劾決議を上院に送る決議案を採決。上院で多数派の共和党は21日にも裁判を始める方向で調整している。下院は2019年12月、ウクライナ外交をめぐる「権力乱用」などを理由にトランプ氏の弾劾決議をまとめた。

下院での弾劾決議から裁判開始にメドが立つまで約1カ月かかった。ペロシ氏が上院への決議送付を保留したからだ。同氏は共和党主導の裁判が公平に実施されないとの懸念を表明。共和党の穏健派からも賛成が得られると算段をたて、裁判で疑惑の真相を知るとされるボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)らの証言を要求した。

ボルトン氏も1月上旬、弾劾裁判に証人として召喚された場合、証言の用意があると表明した。

だが上院共和党の結束は緩まない。新たな証人の招致を盛らない裁判の運営規則案を近く採決する方針だ。共和党の上院トップのマコネル院内総務は14日、記者団に全ての同党議員がこの決議案に賛成すると明言した。

マコネル氏は裁判を進めたうえで、必要があれば証人招致を認める決議案を採決する考えを示している。ただトランプ氏は共和党内で圧倒的な人気を誇り、共和党はトランプ氏の擁護でおおむねまとまっている。現時点で証人招致の可能性は小さいとの見方が多い。

トランプ氏を罷免するには上院(定数100)の出席者のうち3分の2以上の賛成が必要だ。全ての上院議員が裁判に参加すれば、共和党から20人以上の造反者が出ることが罷免の条件となる。

一方、証人をめぐる協議が長引くにつれて民主党の足並みも乱れ始めた。民主党ベテランのダイアン・ファインスタイン上院議員は「緊急であれば(決議を上院に)送付すべきだ。そうでなければ送付すべきでない」といらだちを吐露した。共和党の結束に揺らぎが見えない中で「民主党が政治ゲームをしているように見える」(民主党関係者)ことに党内で懸念が強まったとされる。

弾劾裁判の始まりがこれ以上遅れれば、11月投票の米大統領選にも影響を及ぼしかねない。民主党候補の指名を争うウォーレン、サンダース、クロブシャーの各上院議員らは裁判に出席するため選挙活動の中断を迫られる。2月3日のアイオワ州の党員集会を皮切りに指名争いが本格的に始まる前に、不公平だと訴える候補者があらわれる可能性があった。

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