「美帆さん」実名で審理、遺族意向で 相模原殺傷公判

2020/1/15 16:45 (2020/1/15 20:06更新)
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2016年7月に相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で45人を殺傷したとして殺人罪などに問われた元施設職員、植松聖被告(29)の裁判員裁判の公判が15日、横浜地裁で開かれた。青沼潔裁判長は被害者特定事項秘匿制度に基づき「甲A」としてきた犠牲者について、遺族の意向を踏まえ「美帆さん」として審理すると説明した。

検察は美帆さん(当時19)の母親の調書を朗読。自閉症だった美帆さんは言葉を発することはできなかったが、周囲で話していることを理解している様子で笑ったり、怒ったりして表情が豊かだったという。最後に美帆さんと会ったのは、事件直前の7月24日。10分ほどしか美帆さんと過ごせず、「今思えば、美帆ともっと遊んであげればよかった」と後悔した。

母親は弁護士を通じて「甲とか乙とかいうものではない名前を出すことで裁判員にも美帆という存在を知ってほしかった。名前を出せてよかった」とコメントを出した。

検察側は15日の公判で「必死に生きた命を身勝手に奪った」「かけがえのない人を失った」などと訴える遺族の調書も読み上げた。犠牲になった男女12人に関する内容で、いずれも入所者の人柄や思い出、命を失われた悲しみが書かれている。

植松被告と幼なじみの元同僚職員の調書では、12年12月から植松被告も園で働き始め、15年12月の忘年会で「利用者を力で押さえ付けて恐怖を与えたほうが言うことを聞く」と話し、上司ともめるトラブルがあった。数カ月後に職員にも「重複障害者はいらない」という内容のLINE(ライン)を送るなどし、16年2月ごろには会話のできない重度の障害者を差別する発言をしていた。

公判は秘匿制度を適用し、これまでは重傷を負った尾野一矢さん(46)を除く被害者を匿名で審理。死亡者を「甲」、負傷した入所者を「乙」と分けた上で「甲B」「乙C」などと呼ばれている。〔共同〕

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