自民、豚コレラ対策で議員立法 1月内の成立目指す
自民党は15日、党本部で農林部会などの合同会議を開き、アフリカ豚コレラ(ASF)が国内で発生した場合の対策を盛り込んだ家畜伝染病予防法改正案をまとめた。20日召集の通常国会に提出し、月内の成立を目指す。政府が提出予定の同法改正案に先立ち議員立法で成立させ、早期に対策をとれるようにする。
アフリカ豚コレラは中国などアジアで広がっているが、有効なワクチンがないため国内に侵入した場合に大きな被害が出る可能性がある。改正案ではウイルスまん延を予防するため健康な豚を対象に実施する予防的殺処分の対象にアフリカ豚コレラを加える。野生のイノシシなど家畜以外で発生した場合でも殺処分できるようにする。
風評被害を防ぐため豚コレラ(CSF)とアフリカ豚コレラの法律上の名称を「豚熱」「アフリカ豚熱」にそれぞれ変更することも盛り込んだ。
政府は通常国会にウイルスの侵入を防ぐため水際対策を強化する家畜伝染病予防法の改正案を提出する予定だが、成立は4月以降になる見通し。議員立法で予防的殺処分の部分を切り出して改正し、早急に対応できるようにする狙いがある。