工作機械受注、10~12月36%減 自動車など低迷続く

自動車・機械
2020/1/15 15:54
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設備投資の先行指標となる工作機械の受注低迷が鮮明だ。日本工作機械工業会(日工会)が15日発表した受注額(速報値)によると、2019年12月の工作機械受注は前年同月比33.6%減の899億円で、15カ月連続のマイナスだった。10~12月は前年同期比36.3%減と7~9月(35.1%減)より下げ幅が拡大。世界経済の減速で設備投資の手控えが広がっている。今後の半導体関連需要に期待する声もあるが、本格的な回復までは見通せない状況だ。

19年の受注はリーマンショック以来の減少に(国内の工作機械の生産工場)

19年の受注はリーマンショック以来の減少に(国内の工作機械の生産工場)

19年通年の受注額は前年比32.3%減の1兆2297億円で、リーマン・ショック後の09年(約7割減)以来の下落幅となった。19年の年間受注見通しは19年当初は1兆6千億円だったが、春以降に表面化した米中貿易戦争の激化で自動車をはじめとする製造業が設備投資を手控え始めた。

なかでも秋以降の低迷が深刻だ。10~12月の受注額は2590億円で、同期間としては09年以降で最も低い水準だ。

12月の内訳は内需が34.9%減の372億円、外需が32.7%減の527億円だった。大手の牧野フライス製作所の受注額は40.1%減の52億円だったといい、「国内や中国で自動車、建機などの一般機械向けが低調に推移している」という。

日工会は20年通年の見通しを1兆2千億円程度と19年と比べて微減を予想している。日工会の飯村幸生会長は「今年前半に底を打ち、反転すると期待している」と語るものの、足元の受注水準をみるとハードルは高いとの見方も多い。

反転のけん引役として期待されるのが半導体関連の投資だ。半導体製造装置は次世代通信規格「5G」や人工知能(AI)技術の進化により需要増が見込まれ、各社が積極的な投資を行う。東京エレクトロンは19年度から3カ年で4000億円の研究開発投資を予定する。生産能力を増強するため、山梨県や岩手県の新生産棟の建設を進める。荏原も神奈川県に半導体製造装置関連の新工場を立ち上げ中で「工作機械などの導入は計画通り進める」という。

一方、引き続き米中貿易摩擦の影響を懸念する声は根強い。金属加工の浜野製作所(東京・墨田)の浜野慶一社長は20年後半の工作機械の投資を検討しているが「景気動向が悪くなれば投資の時期をずらすことも検討する」と語る。自動車向けでは「関税次第で利益が変わる。投資先をなかなか決められない」(部品メーカー幹部)との声が相次ぐ。

工作機械業界の構造的な変化を指摘する声もある。UBS証券の水野晃アナリストは「20年は半導体関連がけん引して年内に回復基調に入るだろうが、スマホの加工法や自動車の電動化などの変化が出ており、緩やかな増加にとどまる」とみる。スマホ向けの好調などで過去最高を記録した18年とは景色が大きく変わってきている。(福本裕貴)

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