大学入試の検討会議 座長「新方式の必要性含め議論」

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2020/1/14 21:30
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2020年度に始まる大学入学共通テストでの英語民間試験活用の見送りなどを受け、文部科学省が新設した大学入試のあり方を議論する検討会議の初会合が15日に開かれる。英語入試や記述式問題の扱いのほか、共通テストの位置づけなどが論点になる見通しだ。座長を務める東京工業大学元学長の三島良直氏は「新方式の必要性を含め根本的な議論をしたい」と話している。

検討会議は大学教授や高校、大学の代表者ら計18人が委員を務める。英語4技能(読む・聞く・書く・話す)を試すための民間試験の活用と、思考力や表現力を試すための国語と数学への記述式問題導入は、19年11~12月に相次ぎ見送りが決定。入試改革の2本柱が頓挫したことを受け、文科省は検討会議で入試の方向性を練り直し、20年末までに結論を出すことにしている。

論点の一つは英語4技能の評価方法だ。日本私立中学高等学校連合会会長の吉田晋委員は「英語4技能はグローバル社会で活躍するために必要なツールで、入試で測る必要がある」とする。国が民間試験の受験料を支援するなどし、各大学の4技能評価を後押しするといった方法を提案する。

上智大教授の渡部良典委員(応用言語学)は「入試を拙速に変えるより、大学や高校の英語教育を充実させていくことの方が大事ではないか」とする。

萩生田光一文科相は民間試験の活用を前提とせずに抜本的に仕組みを見直し、24年度に新しい英語入試を導入する考えを示している。

記述式問題を巡っては共通テストで出題するのか、各大学の個別試験で出題するのか、といった点が焦点になる。

中央教育審議会の委員で、入試改革について議論した文科省の高大接続システム改革会議の委員も務めた大谷大教授の荒瀬克己委員は「記述式問題で測るような力を身につけないといけないということは、相当な範囲で共有されていると思う」とする。

一方で「見合わせることになった方法は選択できないだろう。共通テストで問わないのであれば、本来の形に戻って高校教育でしっかりやっていくということではないか」と話す。

大学入試センターはこれまで、センターが記述式問題を作り、各大学に提供する方法を検討したことがある。こうした方法も検討材料の一つだ。

共通テスト自体の位置づけにも議論が及ぶ可能性がある。大学進学率が50%を超え、生徒の学力は多様化している。単一の試験で対応できるのか、再点検が必要だ。

検討会議は英語民間試験の活用や記述式問題の導入が決まった経緯も検証する。大学入試改革は経済界などの要望を背景に政治主導で進められてきた。専門家や高校、大学といった教育現場が指摘してきた課題を解決しないまま進み、直前になって行き詰まった原因を巡って議論する予定だ。

検討会議の座長を務める東京工業大学元学長の三島氏は14日、日本経済新聞の取材に対し、「共通テストや大学入試で英語4技能や記述する能力をどう測るかという視点ありきではなく、測る必要性などを含めて広い視野で根本的な議論をしたい」と話した。

専門家の間でも新方式の導入に是非がある。三島氏は「様々な人の意見を聞き、(改革の2本柱が)見送りになった経緯もよく共有する必要がある」と指摘した。

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