田辺三菱の次期社長上野氏 親会社とのシナジーも課題

ヘルスケア
関西
2020/1/14 19:30
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田辺三菱製薬は4月1日に社長に就く上野裕明取締役常務執行役員のもと、年内に三菱ケミカルホールディングス(HD)の完全子会社として再出発する。田辺三菱の2020年3月期の連結純利益(国際会計基準)は50億円と前期比87%減る見通し。欧州企業との係争が主因だが新薬で補えなかったのも事実だ。今後は新しい成長の柱をみつけるだけでなく、研究開発面での親会社との相乗効果も求められる。

次期社長の上野裕明氏(右)はデジタル技術などを使う医薬品開発を急ぐ(14日、大阪市)

次期社長の上野裕明氏(右)はデジタル技術などを使う医薬品開発を急ぐ(14日、大阪市)

上野氏は旧三菱化成工業(現三菱ケミカル)に入って医薬品の研究畑を歩み、近年は海外事業を担当している。14日の記者会見で「医薬品は変化の時で、様々な可能性がある。新たな道筋を示す」と抱負を語った。社長を退く三津家正之氏は「三菱ケミカルHDとともに経営計画を策定する交代にふさわしい時期だ」と説明した。

上野氏の役割は2つある。1つは成長の道筋をつけることだ。約1200億円をかけて取り込んだ新薬の開発計画が遅れ、いまは次の稼ぎ頭の発売はまだ先だ。国内では薬価下落が続き、海外でも稼げる製品の実用化を急がなければならない。上野氏は「いまの製品群では不十分。早期拡充のため外部からも獲得する」と話す。

もう1つが研究開発での相乗効果を通じた三菱ケミカルHDへの貢献だ。田辺三菱は旧・田辺製薬と旧・三菱ウェルファーマが07年に合併。1678年創業の旧田辺製薬の知見は深く「グループ内でも一目置かれていた」(旧三菱系幹部)。ヘルスケア事業に注力する三菱ケミカルなどグループとの人材交流はあったが、親子上場が故に踏み込んだ連携ができず「もどかしさがあった」(田辺三菱)。

完全子会社化によってできることは増える。旧・三菱系で研究部門が長い上野氏。今後の働きは三菱ケミカルグループや田辺三菱の将来の立ち位置にも影響しかねない。

(宮住達朗)

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