中国海警局船、フィリピン初寄港 ASEAN切り崩し

中国・台湾
東南アジア
2020/1/14 18:03
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【マニラ=遠藤淳】フィリピン沿岸警備隊は14日、マニラ港に入港した中国海警局の艦船の歓迎式典を開いた。海警局船の寄港は初めて。両国は南シナ海の領有権を巡って対立するが、海警局側は親善ムードの演出に努めた。東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部の国と同様の問題を抱える中、フィリピンとの友好関係を示し、ASEANの切り崩しを狙う。

中国の海警局船を迎えるフィリピン沿岸警備隊員(14日、マニラ)

中国海警局船5204号は14日、マニラ湾の埠頭に接岸した。海警局トップの王仲才少将が沿岸警備隊のガルシア司令官を艦内に招き、担当官が設備などについて説明した。フィリピンで火山が噴火したことを受け、食料やマスクを艦内で集めて同隊に寄贈。報道陣にも乗艦を認める異例の対応だった。

海警局と沿岸警備隊は15日に合同救助訓練を実施し、17日に海警局船はマニラを離れる。領有権を争うスカボロー礁(中国名・黄岩島)付近でフィリピン漁船が海警局船に度々妨害されているが、ガルシア氏は「問題を提起するより、対話で相互理解を深めたい」と報道陣に話した。

中国にはASEANを分断させる思惑が透ける。海警局船は2019年、ベトナムの排他的経済水域(EEZ)内で活動し、インドネシア領ナトゥナ諸島北方のEEZで違法に操業していた中国漁船を警備。両国の政府から反発を受けた。近くベトナムで開かれるASEAN外相会議では、南シナ海問題が主な議題となる見通し。中国はフィリピンの取り込みを進め、ASEANの足並みを乱したい考えだ。

フィリピンにとっては同盟国の米国と中国との間のバランスを取る狙いがある。軍は中国を警戒するが、ドゥテルテ政権は経済支援目当てに中国に接近している。沿岸警備隊は19年5月にスカボロー礁周辺で米沿岸警備隊と初の合同演習を実施しており、海警局とも合同演習を行うことで中国にも配慮する。

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