「ママ振」成人式 着物リメーク人気、はれのひ影響も

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2020/1/14 18:00
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成人式で母の振り袖を受け継ぐ「ママ振(ふり)」が広がっている。新品を買うよりも安く、小物で現代風にアレンジする着こなしがSNS(交流サイト)などで人気を集める。2年前に起きた「はれのひ」問題の影響でレンタル業者に不安を抱く新成人もおり、母娘が喜びを分かち合える新たな晴れ着の形として今後も注目されそうだ。

コメ兵は「ママ振」向けの小物を500点そろえた(名古屋市中区)

13日の成人の日、新成人たちが思い思いの着こなしで華やかな振り袖に身を包むなか、名古屋市緑区の唐木望有さん(20)は母の紀代子さん(52)から譲り受けた青色の着物で成人式に臨んだ。

「着物と自分の思い出、どちらも娘に引き継ぐことができた」。紀代子さんは感慨深げに語る。自身が成人式で着た懐かしい振り袖のサイズを直し、リメークした。20代を最後に着る機会がなかったが生地の状態は良く、望有さんは「とても喜んでくれた」という。

名古屋市中区の呉服店「きもの やまなか」では10年ほど前から振り袖のリメークの注文が増え、今では年間200着を超える。原則として一着10万円台で、着物を新調するよりも手軽だ。クリーニングでしみ抜きした上でサイズを直し、帯や小物は必要に応じて新しいものを用意する。

6代目店主の山中邦彦さん(46)は「思い入れのある着物に袖を通す娘や孫の姿に思わず涙を流す人もいる。世代を超えて喜びを共有できる」とママ振の魅力を語る。

自分なりのアレンジを楽しめることも人気の理由だ。中古ブランド品流通大手のコメ兵は、ママ振向けに帯締めや髪飾りなどの和装小物を500点そろえる。中区大須の「名古屋本店きもの館」には母と娘がそろって振り袖を持ち込むケースが増え、2019年の小物の売上高は前年比1.6倍に伸びた。同店の着物担当、坂本直樹マネジャーは「小物なら合計で3万円前後。カラフルな帯や襟でオリジナリティーのある着こなしがSNSで流行している」と話す。

18年1月、振り袖の販売レンタル業者、はれのひ(破産)が突然営業を停止し、成人式で振り袖を着られない人が相次ぐ問題が起きた。レンタル業者への不信感が募っていることもママ振人気の背景にあるとみられる。

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