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八村に明るさ 故障離脱も今後へのプラスに
スポーツライター 杉浦大介

2020/1/13 3:00
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順調なルーキーシーズンを過ごしていたNBA、ワシントン・ウィザーズの八村塁が、12月中旬以降、長い欠場が続いている。12月16日の試合中、チームメイトに股間を蹴られた形になり、鼠径(そけい)部を負傷。直後に手術を受け、以降は離脱を余儀なくされてきた。

故障者続出に「早く戻りたい」

「試合に早く戻りたい。チームもケガ人の多い状況で、僕も早くチームを助けたいと思うので、早く復帰したい」

故障後初めてメディア対応した1月4日、八村の表情は明るかった=USA TODAY Sports

故障後初めてメディア対応した1月4日、八村の表情は明るかった=USA TODAY Sports

1月4日、故障後初めてメディア対応した際、八村はチームに貢献できない悔しさを正直に述べていた。実際に今季のウィザーズは主力の故障者が続出。その影響で1月11日現在で13勝25敗と苦戦しており、チームに加わったばかりのルーキーがもどかしさを感じるのは理解できる。

特に12月の八村は8試合で17.3得点、6.6リバウンドと堂々たる数字を残していた。プレー時間も11月の平均24.8分から、12月は同34.4分にまで急上昇。中間距離のジャンプシュートを高確率で決め、チーム内での役割を確固たるものにした感があった。

そうやって波に乗り始めた矢先の故障はやはり不運としか言いようがない。本人、ファンのみならず、チーム関係者も残念に思っているに違いない。

ただ、救いがあるとすれば、1月4日、久々に記者たちの前に登場したときの八村の表情が思いのほか明るかったことだ。試合には出られなくとも、毎日可能な限り多くのゲームをテレビで見て、プレーを学んでいるのだという。そして、過去数年の自身を振り返った際の言葉はことさらに実感がこもって響いてきた。

渡米後初の小休止、「いい勉強ができている」

「これまで3、4年間、ずっと夏も冬も休みなしでやってきたので、こういう時に1回、自分で落ち着いて、バスケの勉強ができるなと思う。この2、3週間いい勉強ができているので、ちゃんと生かしていかなければいけないなと思います」

2016年に渡米し、ゴンザガ大に入学して以降、八村はめまぐるしい日々を過ごしてきた。学生時代はバスケットボールと学業に追われる毎日。昨年6月にNBAドラフトで指名されてからも、サマーリーグ、トレーニングキャンプ、さらに日本代表でのゲームと、重要なイベントが目白押しだった。

1月6日のセルティックス戦、チームメートとベンチで試合を見守る八村(右)=AP

1月6日のセルティックス戦、チームメートとベンチで試合を見守る八村(右)=AP

言葉、関わる人々、生活環境もすべて異なる異国の地で、ほとんどノンストップで走り続けてきたのだろう。そんなさなか、こういった形でブレークの時間が手に入ったことがプラスに働く可能性もあるのかもしれない。もちろん故障は残念だという本人や周囲の思いに変わりはないが、八村自身のポジティブな言葉、姿勢からは今後への希望が見えてくる。

「10試合も欠場すると大ごとに思えるかもしれないが、15年のキャリアの中では取るに足らないことだ」

ウィザーズのスコット・ブルックスヘッドコーチのそんな言葉通り、序盤戦での八村はNBAでも長いキャリアを過ごせるだけのポテンシャルを感じさせていた。そんな21歳にとって、今はじっくり力を蓄えるべきときだ。まずは辛抱強く体を休め、リフレッシュし、その過程でバスケットボールを学び、2月以降、再びコートで暴れる姿を楽しみにしたいところだ。

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