中国・武漢、新型ウイルス感染の男性死亡 初の死者

【大連=渡辺伸】中国の湖北省武漢市で発生した新型のコロナウイルスについて、同市の衛生健康委員会は11日、初めて死者が出たと発表した。1月10日時点で41人が肺炎を発症し、うち重症は7人で、2人が退院した。そのほかの患者の症状は安定しているという。3日以降、新たな発症者は確認されていない。
当局によると、死亡した男性(61)は発症者が多い市中心部の海鮮市場でいつも商品を購入していた。9日の夜、呼吸不全で心臓が停止した。
中国メディアは9日時点で新型コロナウイルスの検出を報じていたが、武漢市当局も11日、同ウイルスを確認したと発表した。呼吸不全や発熱、せきなどの症状が出る。すべての発症者は2019年12月8日から20年1月2日までの間に発症している。医療従事者への感染や、人から人への感染は確認されていない。
中国メディアによると、新型コロナウイルスでは特効薬やワクチンの開発に数年間かかる可能性があるという。香港などの周辺地域やアジア諸国では武漢を訪れた旅行客の体調を検査しており、警戒態勢を敷いている。
日本の厚生労働省は、武漢からの帰国者や入国者に対し、せきや発熱の症状があればマスクを着けて医療機関に行き、武漢に滞在していたことを告げ、受診するよう呼び掛けている。
コロナウイルスは主に呼吸器や腸に影響を及ぼす。過去に世界で拡大した重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)もコロナウイルスの一種だが、今回は異なる種類だという。

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