全トヨタ労連、人事・賃金制度改善迅速に 業種別で要求立案

2020/1/10 19:30
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トヨタ自動車グループの労働組合でつくる全トヨタ労働組合連合会は10日、中央委員会を開いて2020年春季労使交渉の要求方針を正式に決めた。1972年の設立以来初めて加盟労組のグループ分けを見直し、業種別に改めた。同業の労組で情報交換し、長時間労働抑制や人材定着につながる賃金・人事制度改善の迅速な要求立案を促す。

全トヨタ労連は中央委員会で20年春季労使交渉の要求方針を決めた(10日、愛知県豊田市)

自動運転や電動化といった「CASE」対応により、自動車業界は大変革期を迎えている。深刻な人手不足への対応や、多様な人材が働ける人事制度の構築が急務だ。

これまで全トヨタ労連は企業規模や地域ごとに加盟労組を9グループに分けていた。19年9月に労組同士が連携しやすくするため体制を見直し、主に業種別の14グループに分けた。

加盟労組は経営側との交渉で、同業他社の事例を踏まえて制度の改善を要求しやすくなる。同一業種であればそれぞれの職場の抱える課題が共通している場合が多く、解決につながりやすいとみている。

すでに新体制で情報交換している。生産関連設備を製造する企業の労組グループでは、長時間労働が常態化して若年層の人材が定着しにくいという。管理職に就いても業務負荷が高いため、人材育成や改善活動にまで手が回らないという声が集まっている。

長時間労働の抑制につながった他社の事例などを参考にしながら、若年層の人材定着につながる賃金体系や管理職業務の適正化について、改善案を要求に盛り込んでいくという。

全トヨタ労連には315組合の35万1千人が加盟している。20年春交渉の要求方針では基本給を底上げするベースアップに相当する改善分や是正分といった表現は避け、「賃金制度維持分に月3000円以上を加えた総額原資を要求する」とするにとどめた。「月3000円以上」はあくまで目安として、要求に盛り込むかは傘下労組の判断に委ねる。

賃金については「根元からの高さを意識する」としており、19年に続いてベアに偏った交渉から、定期昇給も含めた賃金総額の議論を重視する。

非正規雇用者の賃上げについても従来以上に取り組みを強化する。定年延長により60歳以上の人材が職場に増えており、加盟労組に待遇改善をより進めるよう促す。(広沢まゆみ)

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