阪神大震災25年 神戸市長「予知できぬ自然災害、謙虚に対策を」

阪神大震災25年
2020/1/10 17:00
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1995年1月17日に発生した阪神大震災から間もなく25年がたつ。久元喜造市長に震災の教訓、今後の取り組みについて聞いた。

神戸市の久元喜造市長(神戸市)

「大震災で塗炭の苦しみを味わい、あらゆる努力が払われたのがこの25年だった。行政の立場で象徴的な取り組みといえば約20年の歳月をかけて完成した大容量送水管の整備だろう」

「大地震の翌年、1996年から始まった事業で、1日最大40万立方メートルの送水能力がある。震災時、避難所だった小・中学校のトイレは水が流れないという悲惨な状況だった。衛生状態は劣悪を極め、本当に苦い経験だ。送水管完成で市民は被災時でも12日分の飲料水を確保することができるようになった。これをモデルに全国の都市でも広がりつつある」

「行政の立場を超え市民や企業、NPOが連携協力した備えも重要だ。例えば災害時に連携できる『防災福祉コミュニティー』では地域住民と行政が連携している。これも震災の教訓から学んだ」

「時代が変わり、阪神大震災から歳月が流れるのは止められない。企業の社長も、市職員も、市長も変わる。だが世代が変わっても、救助や避難所運営など教訓は継承していかなければならない」

「神戸は全くと言っていいほど大地震に無防備だった。だがこの原因は国の対応にあったのではないか。政府は駿河湾域を震源とする東海地震の対策に大きな力を費やしてきた。結果的に国民の意識の中に、いつか大地震が起きるのは東海地震だ、他の地域は可能性が少ない、と誤ったメッセージを与え続けた。現実には阪神大震災と東日本大震災が起きた」

「ここから学ぶべき教訓は、あたかも地震が予知できるとか前兆現象を捉えることができるというように、大自然の猛威に対し傲慢であってはいけないということだ」

「もちろん活断層の存在は把握する必要がある。時代は令和となり、テクノロジーがどんどん進化してIT(情報技術)を活用した対応もできる。だが大自然の脅威に対し、謙虚でなければならない。大災害がどこで、どういうかたちで発生するかは想定できないとの前提に立ち、万全の体制を取っていく必要がある。これは地震に限ったことではなく、巨大台風や高潮、ゲリラ豪雨などにも言える」

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