森林火災 豪政府、復旧や被害者救済へ資金拠出

南西ア・オセアニア
2020/1/10 11:59
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【シドニー=松本史】森林火災の被害が拡大するオーストラリアで、被災者支援やインフラ復旧に向けた動きが本格化し始めた。連邦政府や最大都市シドニーのあるニューサウスウェールズ(NSW)州政府は相次ぎ資金拠出を決めた。ハワイでの休暇で批判を受けたモリソン首相は早期の支援体制確立を目指す。ただ記録的な乾燥や高温により、被害の収束はなお見えないままだ。

豪州は2019年、観測史上最も乾燥していた(豪東部クイーンズランド州の牧場)=AAP

被害が大きいNSW州政府は9日、道路や鉄道などのインフラ復旧に向け今後2年間で10億豪ドル(約750億円)を充てると発表した。「森林火災の季節(である夏)はまだ当面終わらないが、可能な箇所から復旧を始めることが重要だ」。ベレジクリアンNSW州首相はこう述べ、復旧に取り組む姿勢を強調した。

モリソン首相はこれに先立つ6日、連邦政府が復旧支援の専門機関を設立し、今後20億豪ドルを被災者支援などに充てると表明した。自然災害への対応は同国では州政府の管轄だ。モリソン氏は支援機関設立や3千人に上る軍の予備役招集など連邦政府の積極的な取り組みをアピールし、被害が広がる中で休暇を取得していたことで浴びた批判をかわそうと必死だ。

ただ、豪州では高温と乾燥が続き、鎮火には時間がかかりそうだ。

豪気象庁は9日、2019年の平均気温が記録がある過去110年間で最も高く、降水量は同120年間で最も少なかったと発表した。19年の平均降水量は277.6ミリで、1961~90年の平均を4割下回った。気温は同平均を1.5度以上上回った。

豪州に自生するユーカリは揮発性の油分を多く含み、高温や乾燥が火災につながりやすい。気象庁は10日にかけて、南東部ビクトリア州などで高温や強風により火災の被害が拡大する恐れがあるとして注意を呼び掛けている。

豪州では例年、南半球の夏にあたる12月ごろから森林火災が多く発生する。ただ19年は異常乾燥などの影響で9月から火災が多数発生、11月に深刻化した。これまでに27人が死亡し、ロイター通信は焼失面積は10万平方キロメートルと韓国に匹敵する規模だと報じている。

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