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シグマfp、ポケットに入るフルサイズ機 拡張性も魅力

NIKKEI STYLE

2019年夏に発表されネット上で大きな話題となった「シグマfp」。10月末に発売されるやいなや爆発的な人気となり、一時は大手量販店の売り上げランキングを総ナメにして品薄になった店もあったほど。その魅力はどこにあるのか、発売前から使って感じた印象をお伝えしたい。

「シグマfp」の特徴はまずそのコンパクトさだ。フルサイズミラーレス一眼で世界最小・最軽量なのである。ボディーサイズは幅112.6ミリ、高さ69.9ミリ、奥行き45.3ミリ。パスポートより小さく、重量は何と370グラム(ボディーのみ)。SDカードとバッテリーを加えても422グラムと驚異的な軽さだ。

EVF(電子ビューファインダー)を持たない、シンプルでソリッドなデザインとスタイルも魅力だ。使用時にはもちろんこれにレンズの重量が加わるが、キットレンズの「SIGMA 45mm F2.8 DG DN」を装着しても軽快そのもの。毎日「気軽に持って歩けるフルサイズ機」といったイメージなのだ。通勤や通学で携帯しても苦にならない。しかも防じん防滴構造なので、いつでもどこでも写真撮影が楽しめるカメラになっている。

超コンパクトなボディーに搭載されたフルサイズセンサーは有効2460万画素。低感度から高感度までシャープかつ豊かな階調の描写を楽しめる。メカニカルなシャッターを持たない電子シャッターを採用し、静粛性と高速連写性に優れており、4Kムービーも収録可能だ。新採用のカラーモード「ティールアンドオレンジ」がシネマ調で味わい深い描写を堪能できるのでオススメである。

3社連合の「Lマウント」でレンズは豊富

レンズマウントは「Lマウント」。シグマ、ライカ、パナソニックが同盟を組んだ「Lマウントアライアンス」準拠のレンズが使用できる。シグマ製のものだけでなく3社のレンズをチョイスできるのが素晴らしい。高性能なレンズ群が次々と投入されており、今後の展開が期待できるレンズマウントなのが頼もしい。

写りも上々だ。手のひらに収まるサイズ感のボディーだが、アウトプットされる絵はフルサイズセンサーから来るゆとりのある描写そのもの。ローパスフィルターがないので精鋭かつクリアな写りで、リッチな色再現性も魅力だ。

このカメラの特徴はもうひとつある。拡張性が高いところだ。シグマ純正のグリップ類やLCDビューファインダーなどを装着して、フォトグラファーが使いやすいように「シグマfp」を変貌させられるのだ。特に面白いのはシグマがボディーの3Dデータをウェブ上で公開していて、誰でもそのデータを使って外装パーツを制作できるところ。すでにサードパーティーメーカーからさまざまなリグ類が登場してきている。「シグマfp」は小型軽量で写りがいいだけでなく、今後いろいろと「化ける」新機軸のフルサイズミラーレス一眼だ。

次ページで作例を紹介する。

三井公一
 iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。http://sasurau.com/

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