タイCP系スタートアップ、34億円調達 セブン銀など

【バンコク=岸本まりみ】タイのチャロン・ポカパン(CP)グループ出身の実業家が立ち上げたフィンテック企業のライトネットは9日、約34億円を調達したと発表した。国際送金サービスを本格的に手掛ける計画で、セブン銀行などから出資を受け入れた。タイ最大財閥のCPグループを後ろ盾に、東南アジアで攻勢をかける計画だ。
韓国のハンファ投資証券やシンガポールのユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)系のベンチャーキャピタルなど合計8社から、合計3120万ドル(約34億円)を調達した。東南アジアの創業初期のスタートアップ企業としては大型の資金調達になる。
同社は、銀行口座を持たない人でも、国をまたいで低コストで国際送金ができる仕組みを整え、東南アジアを中心とした移民労働者らの需要を取り込む。3月末までにサービスを始める計画だ。
ライトネットの共同創業者兼会長であるチャチャワン・チャラワノン氏は、CPグループを率いるタニン上級会長のおいにあたる。2018年に米フォーチュン誌を買収したことでも知られる。ライトネットはCPと直接の資本関係はないが、小売りや通信でタイ経済を牛耳るCPグループの力も今後生かす。