サムスン、順法委員会設置 判決前に法令順守アピール

アジアBiz
2020/1/9 16:00
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【ソウル=細川幸太郎】韓国サムスングループは、法令順守を徹底するため弁護士など外部委員らで構成する「順法監視委員会」を設置する。系列会社も含めてグループ内の法令違反の有無を調査する。財閥トップの李在鎔(イ・ジェヨン)氏が贈賄罪に問われた裁判が進行中で、法令順守の姿勢をアピールして有利な判決を得る狙いがあるとみられる。

順法監視委員会の記者会見場となった弁護士事務所には200人を超える報道陣が詰めかけた(9日午前、ソウル市)

同委員会は弁護士のほか検事出身者、大学教授など7人で構成する。9日にソウル市内で記者会見した元最高裁判事の金知衡(キム・ジヒョン)委員長は「サムスン側の介入を完全に排除して、倫理経営の番人役を果たす」と強調した。

同委員会は、取締役会の決定事項や外部企業との取引状況、労組問題など幅広い分野で法令違反がないかチェックする。具体的な調査項目や手順などは1月末の委員会発足後に詰める。

李氏を巡っては、朴槿恵(パク・クネ)前大統領への贈賄の罪に問われた差し戻し審がソウル高裁で進行中。早ければ2月にも判決が出る見通し。執行猶予が認められなければ再び収監される。

2019年10月25日の初公判で、ソウル高裁判事は李氏に対して「順法監視制度を導入しては」と異例の注文をしていた。今回の委員会設置は、量刑判断を下す権限を持つ判事の注文にサムスン側が応えた形だ。李氏は2日の仕事始めの社内スピーチで「誤った慣行と思考は果敢に廃し、新しい未来を切り開こう」と話し、過去を反省する謙虚な姿勢を示していた。

足元のサムスン電子の業績は回復基調だ。8日に発表した19年10~12月期の連結決算が市場予想を上回り、9日の株式市場で同社株は2年ぶりに過去最高値を更新した。次世代通信規格「5G」の普及で、20年は好業績が期待される同社にとって、実質トップの李氏の裁判が最大の懸念材料となる可能性がある。

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