ミラノ・スカラ座が認めた若手メゾソプラノ脇園彩

文化往来
2020/1/16 2:00
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新国立劇場の「ドン・ジョヴァンニ」に出演するメゾソプラノ歌手の脇園彩(2019年5月)=寺司 正彦撮影

新国立劇場の「ドン・ジョヴァンニ」に出演するメゾソプラノ歌手の脇園彩(2019年5月)=寺司 正彦撮影

日本の若手メゾソプラノ歌手、脇園彩(31)が近年、イタリア・ミラノのスカラ座をはじめ、欧州の著名歌劇場で数多くの舞台を踏んで注目を浴びている。イタリアに留学する日本の歌手が若い頃から現地の歌劇場に主要キャストで出演することすら容易でないにもかかわらず、脇園はコンスタントに主役や準主役級を勝ち取ってきた。「いただいたチャンスを生かし、オペラで日本と世界を結びたい」と語る。

もともとはミュージカル歌手志望だったが、東京芸大大学院在学中にマスタークラスで出会った大ソプラノ歌手、マリエッラ・デヴィーアに憧れ、大学院修了後の2013年にイタリアに留学。スカラ座が若手音楽家を育成する「スカラ座研修所」のメンバーに選ばれ、14年にはスカラ座が主宰する子どものためのオペラ「チェネレントラ」で主役を務めた。

18年にはイタリアのロッシーニ・オペラ・フェスティバルで「セヴィリアの理髪師」のロジーナ役に抜てきされるなど、実力で仕事を得てきた。脇園は女性歌手の「華」であるソプラノではなく、一段声域が低いとされるメゾだ。自身の声について「ソプラノとメゾの違いは声域ではなく声質。私は高音も出るが、やや陰りのあるメゾの音色が合う。声の区分より、どの役が合うかを見極めることが重要」と分析する。

現在もミラノに住み、主に欧州の劇場で上演される作品に出演。日本でも19年5月に新国立劇場の舞台に初めて登場し、モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」のドンナ・エルヴィーラを演じた。20年も2月6~16日に同劇場の「セヴィリアの理髪師」でロジーナを演じる。「オペラは人間の核の部分に密接に関わる。音楽と人間への揺るぎない愛をもって歌いたい」。冷静な判断力と熱き心を兼ね備えた声楽家だ。

(岩崎貴行)

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