中国、肺炎患者に新型コロナウイルス
【大連=渡辺伸】中国の国営中央テレビ(CCTV)は9日、湖北省武漢市で発生した原因不明の肺炎について、新型コロナウイルスが検出されたと報じた。中国政府が派遣した専門家の調査によると「特効薬やワクチンの開発に数年間かかる可能性がある」という。これまでに59人の患者が確認されており、動物に感染する可能性もあるとしている。
コロナウイルスは主に呼吸器や腸に影響を及ぶす。重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)もコロナウイルスを原因とするが、今回は違う種類だという。
武漢市の当局によると、最初に患者が見つかったのは2019年12月12日。9日までに59人の患者が確認され、このうち8人は退院したが、7人が重症となっている。
武漢市の当局は「人から人への感染は確認されていない」としている。同市疾病予防コントロールセンターの李剛主任は6日、中国メディアの取材に「患者数は増える可能性がある」と語った。
周辺地域やアジア諸国で警戒感が高まっており、香港や台湾などは武漢を訪れた市民らの検査を実施している。