世界成長率2.5%どまり 世銀、20年予測を下方修正

2020/1/9 6:00
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【ワシントン=河浪武史】世界銀行は8日改定した世界経済見通し(GEP)で、2020年の世界全体の成長率を2.5%と予測し、19年6月時点から0.2ポイント下方修正した。関税合戦の影響で米国と中国の成長率がともに減速し、世界全体の貿易量も大きく落ち込むと指摘した。中東情勢が一段と悪化すれば、世界景気はさらに下振れが避けられない。

19年の世界全体の成長率は2.4%と推定し、金融危機の影響を脱し始めた10年以降では最低の伸び率となった。19年の貿易量は前年比1.4%増にとどまり、18年(4.0%増)から急減速した。20年の経済成長率は19年比でわずかに上向くものの、中東情勢など地政学リスクの悪化によって「回復軌道は不安定で、下振れリスクが拭えない」(世銀)という。

日本の20年の成長率は0.7%と19年比で0.4ポイント減速する。消費税増税の影響に加え、中国向け輸出などの落ち込みを懸念した。ただ、労働参加率の上昇などで1人当たりの所得は底堅い伸びが期待できるとした。

米国の20年の成長率は1.8%と前年(2.3%)から一段と減速する見込みだ。中国との貿易戦争などの影響で企業心理が悪化しており「製造業が著しく弱含んでいる」と警戒感をにじませた。

中国も5.9%の成長にとどまり、天安門事件の直後だった1990年以降で初めて6%を割り込むと予測した。ノンバンクの貸し出し抑制などで同国の成長率は緩やかに減速していたが「内需の冷え込みと貿易摩擦の高まりは、想定以上の景気の下振れを招いている」と指摘した。

世界的な貿易の落ち込みは欧州も直撃し、ユーロ圏の2020年の成長率は1.0%と前回予測から0.4ポイントも下方修正した。中東・北アフリカは2.4%と比較的高い成長率を見込むものの、米国とイランの対立が深刻になれば下振れは必至だ。イランは19年の大幅なマイナス成長(8.7%減)から持ち直すと予測するが、経済情勢は極めて不透明だ。

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