欧米メディア、トランプ氏演説「緊張緩和に道」

2020/1/9 2:46 (2020/1/9 4:10更新)
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【ニューヨーク=大島有美子】トランプ米大統領の米東部時間8日午前の演説について、複数の米メディアは米イラン間のさらなる軍事衝突は避けられそうだとの見方を伝えた。イランによるイラクの米軍基地への攻撃で死傷者が出ず、トランプ氏が「イランが身を引いたようだ」と述べたことに注目した。

演説するトランプ米大統領(8日、ワシントン)=ロイター

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、トランプ氏は「イランが米国との衝突を避けようとしているとの認識を示し、米国もさらなる軍事攻撃をしないと示唆した」と伝えた。イランによる7日夜の攻撃は「米国軍に対して立ち向かうことをいとわない意志を示すと同時に、状況の悪化を避けるよう計算されていたようだ」と伝えた。

ブルームバーグ通信も「イランとの緊張を緩和する道筋をつけた演説」とした。ただ軍事衝突は避けられても「代理手段として民間軍による攻撃や、サイバー攻撃といった、より隠密的な報復が起こりうる」との見解を述べた。

各紙はトランプ氏が「米国はイランに迅速に追加の経済制裁を科すだろう」と述べたことも一斉に伝えた。米紙ワシントン・ポストは「制裁の具体的な内容は語らなかった」とした。

英ガーディアン紙(電子版)も、トランプ氏が「イランが身を引いたようだ」と発言したことに注目し、米国とイランのさらなる軍事衝突の可能性は後退したとの見方を示した。演説は「トランプ氏としては珍しく落ち着いた内容だった」と伝えた。

英BBCの電子版は、トランプ演説を「脅しと虚勢、そして緊張緩和の意向が交わった興味深い内容だった」との防衛専門の特派員の見方を掲載した。

演説のポイントは、(1)米国・イラン間のさらなる軍事衝突を回避する(2)他国にも2015年の核合意の破棄を求める(3)中東のプロセスに対する北大西洋条約機構(NATO)諸国のより積極的な関与を要求する――の3点だったと指摘。米国とイランの直接的な軍事衝突の可能性は緩和されたものの、米国とイランの緊張関係を根本的に緩和する新材料はなく、米軍によるイラン革命防衛隊司令官殺害前の「元の(緊張)状態に戻っただけ」とした。

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