吉利とダイムラー、「スマート」合弁に約840億円投資 2022年にEV投入

2020/1/8 20:40
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【重慶=多部田俊輔】中国民営自動車最大手の浙江吉利控股集団は8日、独ダイムラーと折半出資で高級小型車ブランド「スマート」を統括する合弁会社を設立したと発表した。合計54億元(約840億円)を出資し、2022年から電気自動車(EV)を売り出す。

スマートは中国でEVブランドとして再出発する(写真はフランクフルト国際自動車ショー=ロイター)

ダイムラーの大株主で協業を求めていた吉利と不振のスマートの立て直しを狙うダイムラーの思惑が一致した事業が合意から1年でようやく始まる。

新会社の名称は「智馬達汽車(スマート・オートモービル)」。資本金54億元のうち半分を吉利が、残りをダイムラーの乗用車事業子会社のメルセデス・ベンツが出す。グローバル本部は吉利の本社がある浙江省に置き、スマートの中国だけでなく、世界全体の事業を統括する。取締役は6人で、両社が3人ずつを派遣する。最高経営責任者(CEO)には吉利出身者が就く。

新会社は研究開発のほか、製造も手掛ける予定で、中国とドイツに営業センターを設立する。吉利の李書福董事長は「スマートは独特のブランド力を持っており、世界の都市交通などをリードしていく」と強調した。スマートの電動化などを推し進める方針も示した。

吉利はダイムラーの事実上の筆頭株主だ。18年2月、李董事長の投資ファンドが約1兆円を投じてダイムラー株の10%弱を握った。吉利はダイムラーの電池や自動運転などの先端技術に関心を持つとされ、19年3月にダイムラー傘下のスマートを折半出資の合弁会社に切り替えることで合意していた。

スマートは時計大手のスウォッチとダイムラーの合弁で1994年に設立した。97年のフランクフルト自動車ショーでは、2人乗りのおにぎりのような形のスマートの登場が世の中を驚かせた。近年は販売不振で、電気自動車(EV)専業メーカーへの転身を図っていた。

吉利は86年に創業した。当初は冷蔵庫部品などを製造し、二輪車などを経て、97年に四輪車事業に進出した。民営最大手に成長し、英調査会社LMCオートモーティブによると、19年1~9月の中国の乗用車市場では約7%のシェアを占める6位ブランドだ。

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