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ウイグル族弾圧で対中制裁強化を提言 米議会

米議会の超党派委員会は中国によるウイグル族への弾圧を非難した(新疆ウイグル自治区にある「職業教育訓練センター」)=ロイター

【ワシントン=永沢毅】中国の人権状況を監視する米議会の超党派委員会は8日、2019年版の報告書をまとめた。広範囲にわたり人権状況と法の支配の悪化が続き、先端技術を用いて中国当局が「国民を制御し、抑圧している」と非難。新疆ウイグル自治区でのウイグル族弾圧に関わった人物への制裁強化などを米政府に提言した。一部はすでに実行に移されており、中国の反発は確実だ。

報告書は18年8月~19年8月を対象とした。最大の懸念事項として新疆ウイグル自治区を取り上げて「中国当局がウイグル族の人権への罪を犯している」と指摘した。

非合法の収容所を拡大し、顔認証カメラとリアルタイムでの携帯電話の盗聴システムを活用して「ウイグル族の暮らしのあらゆる面を監視するプラットフォームを作り上げている」とも断定。テロ対策の名目により、ムスリムの回族への弾圧やキリスト教徒への監視も強まっていると強調した。

中国に是正を促す方策も列挙した。ウイグル族の大量拘束を共謀したビジネス関係者や政府高官に制裁を科すよう提案。顔認証や機械学習、生体認証や人工知能(AI)といった新たな先端技術の販売を制限するよう求めた。

具体的には、新疆ウイグルの自治政府や治安機関を事実上の禁輸先とする米商務省の「エンティティー・リスト」に追加するよう訴えた。この措置はすでに実施しており、トランプ政権は19年10月に28企業・団体を同リストに指定した。監視カメラ世界首位の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)などが含まれる。

また、報告書はトランプ政権に制裁強化を含めたウイグル人権法案の成立を提唱した。

同法案には弾圧を指揮するウイグル自治区の中国共産党委員会書記を制裁対象に指定するよう求める内容が盛り込まれており、19年12月に米下院で圧倒的な賛成多数で可決された。

成立には上院での可決とトランプ大統領の署名が必要で、中国側は強く見送りを求めている。米中貿易協議もにらんでトランプ政権は慎重に対応を検討しているが、ウイグル問題を巡る米議会の対中批判は強まる一方で、成立に至る可能性もある。

中国側は反発を強めている。中国外務省の耿爽副報道局長は8日の記者会見で、トランプ政権が中国のウイグル問題で批判を続けていることについて「米国のいうような民族や宗教、人権の問題は全く存在しない」と主張した。

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