オーストリア首相にクルツ氏返り咲き 緑の党と連立

2020/1/8 1:00
保存
共有
印刷
その他

【ベルリン=石川潤】オーストリアで7日、中道右派の国民党と環境政党の緑の党による連立政権が発足した。2019年5月に議会から不信任を突きつけられて退任したクルツ元首相が、9月の解散総選挙での勝利を経て、再び首相の座に返り咲いた。国民党は連立相手を極右の自由党から左派の緑の党に切り替え、反移民政策と気候変動対策の実現を目指す。

首相に返り咲いた33歳のクルツ氏は再び世界最年少の首相となる=ロイター

クルツ氏は31歳だった17年に首相に就任したが、連立相手の自由党のスキャンダルによってわずか約1年半で退任に追い込まれていた。33歳のクルツ氏は1カ月前に就任したばかりのフィンランドのマリン首相よりも若く、再び世界最年少の首相となる。

反移民政策を進めてきた国民党と人権重視の立場からこれに反発してきた緑の党はいわば水と油だ。だが、9月の選挙で振るわなかった社民党と自由党が政権参加に二の足を踏むなか、約3カ月の交渉の末に連立政権を組むことになった。

初めて政権に参加する緑の党は連立合意に、気候変動を抑えるための航空券への課税や40年までに温暖化ガスの排出を実質ゼロにする目標を盛り込んだ。一方で国民党は14歳以下の少女への学校でのスカーフ着用禁止などを押し通した。クルツ氏は「気候と国境の両方を守ることは可能」というが、政権の持続性への懸念もくすぶる。

保守政党と緑の党という珍しい組み合わせの成否は、ほかの欧州諸国からも注目が集まる。特に21年に連邦議会選挙が予定されているドイツでも、中道右派と緑の党による連立政権の可能性がささやかれており、同国の政局にもじわり影響が及ぶ可能性がある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]