幸楽苑HD、不採算のラーメン店51店を閉鎖へ

幸楽苑ホールディングスは6日、同社のラーメン店の1割にあたる51店を2019年12月から20年4月にかけて閉店すると発表した。人手不足に伴う人件費や物流費の上昇で収益が上げづらい東海や関東地方の不採算店を中心に閉鎖する。一部の店舗は唐揚げ店や焼肉店に業態転換して、足元で約490店ある店舗網の最適化を進める。
今回の店舗閉鎖が地域別で最も多いのが、東海地方の27店舗。次いで関東の14店で、この2地域で閉鎖対象全体の8割を占める。幸楽苑は拡大戦略が行き詰まり、18年3月に京都工場(京都府京田辺市)を売却して西日本の店舗網を大幅に縮小し、北海道などからも撤退していた。東海からは撤退しないが、同社の店舗網は今後、東北と関東地方が主軸になる。
同社は19年10月の台風19号で福島県郡山市の本社工場が被災。店舗で使う食材が作れず、休業する店舗が出た。こうした教訓からも外部環境の変化にかかわらずに利益を出しやすい体質にしていく必要があると判断した。「(店舗閉鎖による)業績への影響は精査中だが、利益が減ったとしても一時的なものにとどまりそうだ」(経営戦略部)としている。