これもアートだ 実用的な食器に焦点あてるコンペ
茨城県陶芸美術館、6月に大賞を決定

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茨城
文化往来
2020/1/11 2:00
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指名コンペに選ばれた柳井友一氏の作品

指名コンペに選ばれた柳井友一氏の作品

茨城県陶芸美術館(笠間市)は開館20周年となる2020年に「笠間陶芸大賞展」を開催する。伝統工芸、オブジェ、生活雑器・食器などあらゆるジャンルを扱う従来の公募部門に加え、指名コンペ部門も設けた。指名コンペ部門は「生活の器・食器」をテーマに、デザイン活動家のナガオカケンメイ氏や陶芸家の新里明士氏ら5人の委員が制作者を推薦して実施する。

指名コンペに選ばれた小野哲平氏の作品

指名コンペに選ばれた小野哲平氏の作品

従来の公募部門ではでは鑑賞用の陶器が出品作の多くを占め「生活の器・食器」は少ない傾向にあったという。実用的なものはアートではないという風潮があることが一つの要因だ。さらに、実用的な作品の作り手の意識も関係している。金子賢治館長は「『生活の器・食器』の制作者の多くは、普段、気持ちよく使ってもらうことを重視するあまり、コンペに応募したり、美術館で作品が所蔵されたりすることへの関心が乏しい」という。

こうした状況を変えるため、指名コンペ部門を創設した。備前や沖縄、アジア各地で学び、現在は高知で制作する小野哲平氏や3Dプリンターなどデジタルと伝統技術を掛け合わせた作品を生み出す柳井友一氏ら30組の作家が出品する。金子館長は「陶芸家の中で器を手掛ける作家の割合は非常に大きい。今現在、広く使われている食器を残すことは、この時代にどんな陶芸文化、ひいては日本文化があったかを記録することにもつながる」と話す。

誰でも応募することができる第1部は5月15日締め切り。1部、2部とも6月に最終審査を行い、各部で大賞、準大賞など7つの賞を決める。作品は10月から21年1月中旬にかけ同館で展示する予定だ。見過ごされがちな「生活の器・食器」の価値を再発見する機会になることを期待したい。

(赤塚佳彦)

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