退去者8割が地元で再起 岡山・倉敷、仮住まい後
西日本豪雨1年半

西日本豪雨
2020/1/6 11:54
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2018年7月の西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市で、仮設住宅などを退去した約1500世帯の8割が、被災場所で自宅を再建したり、修繕して再び住み始めたりしたことが6日までに、市の集計で分かった。被害の大半は広範囲が浸水した真備町地区で、仮住まいを強いられる人がなお多い中、比較的早期に新生活に踏み出した人の大半が地元に戻っていた。

西日本豪雨で被災した自宅を修繕した中西冨美子さん(2019年12月、岡山県倉敷市真備町地区)=共同

最初の大雨特別警報が出てから6日で1年半。倉敷市でプレハブなどの建設型仮設と行政が民間賃貸住宅を借り上げるみなし仮設で生活するのは、ピークだった18年12月は約3200世帯に上った。昨年11月末の時点でも1900近い。

そうした中、真備町地区で被災した自宅を昨年修繕した中西冨美子さん(67)は「費用はかかるが、気持ちにゆとりができる」と話した。黒木ともこさん(38)も元の場所に居を構える。「再び被災する不安もあるが、新たに宅地を買う余裕はなかった」という。

一方、会社員、須増隆仁さん(49)の全壊した自宅は川沿いにあり、堤防整備の進捗などを考えると再建は「足踏み状態」という。みなし仮設のアパートに妻と高齢の両親の4人が住み、生活音に気を使う。「両親が元気なうちに戻りたいが、怖さもある」と漏らした。

岡山、広島、愛媛の被災3県の調査でも、被災者の多くは地元での生活再建を希望。防災工事の遅れや費用面で選択に悩むとの声も上がる。

広島県坂町小屋浦地区の自宅が被災した水尻忠道さん(57)は、広島市内のみなし仮設に1人で暮らす。同居していた母と叔母を失い、「家族連れを見ると涙が出る。孤独感に襲われる」と吐露する。自宅近くに建設予定の砂防ダムは工事が進まず、地元に戻るか別の場所で賃貸物件を探すか迷っているという。〔共同〕

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