/

イラン、ウラン濃縮制限せず 核合意破り第5弾

(更新)

【ベイルート=木寺もも子】イラン政府は5日、2015年に欧米などと結んだ核合意の義務を停止する措置の「第5弾」として、ウランの濃縮活動を無制限に進める方針を表明した。ただ濃縮度の具体的な数値は示さず、核査察などを担う国際原子力機関(IAEA)には協力を続けるとした。米国との緊張が増すなかで核開発の脅威を一段と高め、核合意維持をめざす欧州から経済支援を引き出したい思惑とみられる。

イラン政府は5日に発表した声明で「制限なしに技術的な必要に応じてウラン濃縮活動を続ける」と述べた。イラン国営テレビが伝えた。

濃縮活動に用いる遠心分離機の数や濃縮ウランの製造量などについては一切制限を設けないという。濃縮度の水準には言及していないが、仮に20%に引き上げれば兵器級に近いレベルとなる。

イランは、米軍によるイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の殺害を受け、米国との関係が緊迫している。ただ5日の声明では、米国の制裁が解除されれば義務を履行する用意があるとも述べた。

ザリフ外相はツイッターで「今回の措置は核合意の範囲内で、計5回の措置は相手側義務の実効性ある履行があればすべて後戻りできる」と表明した。

イランはトランプ米政権が18年に核合意からの離脱を一方的に表明して経済制裁を発動したのに対抗し、核開発を大幅に制限する約束を破る措置を段階的に実行してきた。

まず19年7月に「第1弾」として低濃縮ウランの貯蔵量制限を超過させると明らかにし、同年11月の「第4弾」ではイラン中部フォルドゥにある遠心分離機を再稼働させると表明した。これらによって核合意は事実上、骨抜きが進んでいる。

核合意義務の履行停止措置はほぼ60日ごとに発表されており、今年1月上旬に新たな措置が明らかになるとみられていた。当初はIAEAの査察を制限する強硬策に踏み切るとの観測もあったが、見送られた。イランは今回の措置を「最終」としている。

イランには米国に対抗して脅威を高める姿勢を誇示しつつも、米抜きでの核合意持続をめざしている欧州に対し、合意に基づいた経済支援を実施するよう圧力をかける狙いがあるとみられる。

ただ、米イランの関係悪化が深まるなど核合意の維持を探る方策は手詰まりなのが実情で、「第5弾」の発表は欧州側の反発を招く恐れもある。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン