「腐敗の象徴」 ゴーン元会長逃亡、レバノン混迷拍車
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【ベイルート=木寺もも子】日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(65)の逃亡が今後、混迷するレバノンの危機をさらに深める可能性がありそうだ。経済低迷を背景とした反政府デモの影響で、政権は昨年10月下旬に倒れた。それ以降、政治空白が続くが、今回のゴーン氏の逃亡劇に政府が関与した疑惑が追い打ちとなり、国民の不信感がさらに広がってきている。経済破綻を避けるために不可欠な国際社会からの経済支援を危うくするとの指摘もある。
「英雄なんてとんでもない」「この国の特権層の腐敗の象徴だ」。首都ベイルート中心部で反政府デモに参加する若者らは、元会長の逃亡について口々にまくし立てた。
レバノンでは10月中旬から反政府デモが続き、同月末にハリリ首相が辞任を表明した。各政治勢力間の調整は難航し、2カ月以上たった今も新内閣が発足しない政治空白が続く。アウン大統領は今月4日「来週には組閣できると期待している」と述べたが、実現するかは不透明だ。
反政府デモの背景にあるのは、深刻な経済低迷と腐敗した政治への不満だ。若年層の失業率は3割を超えるとされる。さらにデモの混乱を受け、
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