マレーシア教育相が辞任 マハティール政権に打撃

2020/1/2 21:07
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【シンガポール=中野貴司】マレーシアのマズリー・マリク教育相は2日、3日付で辞任すると表明した。マレー語の伝統的な表記法であるジャウィ文字教育の是非を巡って民族間の緊張が高まっており、その責任をとる事実上の引責辞任となる。地元メディアによると、2018年5月の政権交代以来、初の閣僚辞任となり、マハティール政権にとっては打撃となる。

マハティール政権にとって新年早々の教育相辞任は痛手だ=ロイター

マハティール首相は2日、「マズリー氏から辞表の提出を受け、了承した。これまでの彼の働きに感謝している」との声明を発表した。

辞任のきっかけとなったのは、20年から小学校に導入される予定のジャウィ文字の習字教育を巡る混乱だ。少数派である華人系やインド系の国民は教育のイスラム化が進むと懸念し、反対の声を強めていた。一方、一部のマレー系勢力が華人系らの反対運動に反発し、民族間の対立が激化する恐れがあった。

マハティール氏は教育相の辞任によって、混乱を収束させたい考えだ。与党連合内には教育相以外の閣僚も加えた内閣改造で支持率を回復する構想もくすぶっている。政権交代から1年半あまり、内閣改造を封印してきたマハティール氏がどのような人事を打ち出すかが焦点となる。

マハティール政権にとって民族融和の問題は鬼門になっている。18年には国連の人種差別撤廃条約の批准を目指したが、マレー系優遇政策の維持を求める勢力が反対し、批准の見送りに追い込まれた。野党連合はマレー系イスラム教徒の利益を前面に打ち出す戦略で支持を広げており、教育相の辞任後もマハティール政権への批判を強める見通しだ。

マレーシアで教育相は重要閣僚ポストとみなされており、マハティール氏は当初、首相職と兼務しようとした。ただ、総選挙時に掲げたマニフェスト(政権公約)で「首相と閣僚職の兼務禁止」をうたっていたことから、撤回した経緯がある。

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