トランプ氏、対中輸出の倍増狙う 15日に7条項で署名

トランプ政権
貿易摩擦
2020/1/2 19:00
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G20大阪サミットで握手するトランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席(6月29日)=AP・共同

G20大阪サミットで握手するトランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席(6月29日)=AP・共同

【ワシントン=河浪武史、北京=原田逸策】トランプ米大統領は中国との貿易交渉による「第1段階の合意」を巡り、15日に両国間で正式に文書に署名すると表明した。合意内容は中国による米国製品の輸入倍増など7項目。米政権は2月中旬にも制裁関税の一部を緩和する。貿易戦争は打開へ半歩前進するが、中国の産業政策の構造改革は手つかずで、関税合戦の終わりはみえない。

トランプ氏は2019年12月31日、中国側高官を1月15日にホワイトハウスに招き、正式に合意文書に署名するとツイッターで表明した。米中は19年12月中旬に「第1段階の合意」に達した。米国側は2月中旬をメドに、19年9月に発動した1200億ドル分の中国製品への追加関税を15%から7.5%に下げる。

合意内容の柱は中国による米国製品の輸入拡大だ。米通商代表部(USTR)によると、中国は今後2年で米国からのモノ・サービスの輸入を2000億ドル増やす。米国の対中輸出はモノ・サービスで1860億ドル(17年)で倍増する。

知的財産権の保護や技術移転の強要禁止など6分野でも合意した。米政府高官によると、中国が合意内容に違反すれば、米国は制裁関税を再発動できるという。

中国側は署名について何も公表していない。トランプ氏の発表内容も主要メディアは報じていない。外務省の耿爽副報道局長は2日の記者会見で「中国商務省に聞いてほしい」とだけ答えた。

合意内容も「署名後に公表」として具体的に明かしていない。ある地方政府の官僚は「追加関税の取り消しを実現できず政権内に合意への不満がくすぶっている」とみる。署名はする見通しだが合意を誇示する雰囲気はない。党内の不満が高まらないよう報道などに神経をとがらせている。

トランプ氏は早期に訪中して「第2段階の交渉」に入る意向も表明した。「第1段階の合意」に中国の産業補助金の見直しや国有企業改革は含まれていないためだ。

中国は産業補助金の見直しなどを「国家主権にかかわる問題」と拒んでいる。トランプ氏も具体的な訪中時期は明言しておらず「第2段階の交渉」が早期に始まるとみる関係者は多くない。

トランプ氏の最優先事項は20年11月の大統領選での再選だ。トランプ陣営の幹部は「景気に配慮して貿易戦争はひとまず休戦するものの、いざとなれば関税カードを再び行使する。再選にはそれが必要」とも明言する。

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