母乳バンク、全国整備へ 低体重児の病気リスク減

2019/12/29 21:27
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冷凍保存される母乳バンクの母乳(2015年4月、東京都江東区の昭和大江東豊洲病院)

冷凍保存される母乳バンクの母乳(2015年4月、東京都江東区の昭和大江東豊洲病院)

母乳が出ない母親の代わりに、別の母親の母乳を小さく生まれた赤ちゃんに無償提供する「母乳バンク」について、厚生労働省が全国的に整備する方針を固めたことが29日、分かった。低体重で生まれ臓器が未発達な赤ちゃんが対象で、母乳を与えることで様々な病気のリスクを減らす狙い。全国の新生児集中治療室での提供を想定し、早ければ2023年度からの事業開始を目指す。

まずは医学的効果や衛生基準についての調査研究を20年度から3年程度行う。予算は単年度で約1千万円。

母乳バンクは母親の母乳が出ない場合などに、別の母親から寄付された母乳(ドナーミルク)を殺菌処理し、必要とする赤ちゃんに提供する仕組み。国内では唯一、昭和大江東豊洲病院(東京・江東)にある。

医療の発達で、1500グラム未満で生まれた「極低出生体重児」や千グラム未満の「超低出生体重児」も助かるようになった。

ただ、臓器が未発達で、様々な病気になるリスクがある。特に腸の一部が壊死(えし)する「壊死性腸炎」に超低出生体重児がかかると、死亡率は5割以上になるとのデータもある。母乳は粉ミルクに比べ、壊死性腸炎にかかるリスクを低減できるという。

厚労省は調査研究で、ドナーミルクの医学的効果の検証や赤ちゃんの追跡調査、衛生基準の作成などに取り組む。極低出生体重児は年間7千人ほど生まれており、年間3千~5千人程度の需要があるとみられる。

昭和大小児科の水野克己教授は「ドナーミルクで助かる命がある。運用基準をきちんと定めた上で全国展開すべきだ」と話している。〔共同〕

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