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慰安婦合意「違憲」訴え却下 日韓関係への影響は

共同記者発表を終え握手する当時の岸田外相(左)と韓国の尹炳世外相(2015年12月28日、ソウルの韓国外務省)=共同

従軍慰安婦問題を巡る日韓合意は韓国憲法違反だとして元慰安婦らが提訴していた裁判で、韓国の憲法裁判所は27日、訴えを却下した。今後の日韓関係にどのような影響を与えるのか。専門家に聞いた。

支援団体説得を

申●(たまへんに玉)秀(シン・ガクス)元駐日韓国大使

シン・ガクス元駐日韓国大使

憲法裁判所が2015年慰安婦合意の違憲判決を回避したことは評価できる。韓日両政府はこれを機に、日本が元慰安婦の支援財団に拠出したお金の扱いも含めて合意の扱いを話し合うべきだ。日本が出した10億円のうち約6億円が宙に浮いているが、放置はよくない。元慰安婦の支援団体は合意自体に反対しているが、韓国政府が説得の努力をすることも必要だ。

日韓関係のヤマはこれからだ。24日の日韓首脳会談は関係改善への雰囲気づくりとしては成果といえる。元徴用工訴訟の原告が日本企業の資産を現金化しないよう、韓国がイニシアチブを取りながら解決の道を探らなければいけない。両政府が輸出規制当局間の対話をはじめ、他の分野でも協力を進めることは問題解決への動力にもなる。

(ソウル=恩地洋介)

日韓合意、信頼関係に意義

 奥薗秀樹・静岡県立大学准教授(現代韓国政治外交)

慰安婦問題の日韓合意について、韓国憲法裁判所は政治的合意で違憲審査の対象ではないとした。文在寅(ムン・ジェイン)政権が主張してきた内容とほぼ同じで、今回の決定によって日韓関係に大きな影響は及ばないだろう。

慰安婦問題における日韓合意は国際法や条約などとは次元が異なり、法的な拘束力を持たない。ただ(日本による)一方的な提案ではなく、両国が互いを尊重するなかで信頼関係を作り上げたという意義がある。引き続き日韓関係の未来を作る上で基盤の役割を果たすと期待している。

膠着状態続く

 西野純也・慶応大教授(韓国政治)

慰安婦問題の日韓合意について、今回の韓国憲法裁判所は違憲審査の対象ではないと判断した。判断次第では日韓関係がさらに悪化することが懸念されていたが、まずは大きな影響は出ないと見ている。

文在寅(ムン・ジェイン)政権は元従軍慰安婦を支援する財団に日本政府が拠出した10億円についていずれ使い道を考えたいという立場だ。ただ日韓間で協議ができる状況にもないうえ、日本政府も韓国政府の姿勢を受け入れていない。そのため今後も問題が解決の方向に向かうわけではなく、膠着状態が続くだろう。

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