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生産、10~12月は6年半ぶり低水準 電子部品に明るさ

国内の生産が停滞感を強めている。経済産業省が27日発表した11月の鉱工業生産指数は2カ月連続で前月を下回った。10~12月期の生産は2四半期連続で前の期を下回り、6年半ぶりの低水準となる見通しだ。電子部品など一部の品目には回復の兆しがあり、生産も12月から1月にかけて増産が見込まれる。景気は足元の停滞と先行きへの期待がせめぎ合う状況だ。

11月の鉱工業生産指数は前月比0.9%低下の97.7となり、2013年4月以来の低い水準だった。事前の市場予測の中央値よりも低下幅は小さかったが、10月の4.5%低下に続き、2カ月連続で前月を下回った。11月は10月の台風19号の影響がほぼ解消されるなかで、減産が続いた。国内外の需要の弱さを示しているといえる。

業種別にみると15業種中12業種が減産となった。前月比8.9%減だった生産用機械は9月に生産・出荷が大きく伸びた後、10~11月に反動減が出ている。SMBC日興証券の宮前耕也氏は海外向けの減少に加え、「中小・零細企業による増税前の駆け込み設備投資と反動減が表れている可能性がある」と指摘する。電気・情報通信機械も2.9%減だった。

一方で、減速が続いてきた電子部品・デバイスは11月に0.1%増と、2カ月続けて増産となった。20年春に国内で商用サービスが始まる次世代通信規格「5G」向けの通信関連部品の引き合いが強まっている。半導体市況も回復しつつある。データセンター向け投資も徐々に立ち上がり、12月も電子部品・デバイス関連の生産は堅調に推移する見通しだ。

IHSマークイットが公表し世界経済の景況感を映すグローバル購買担当者景気指数(PMI)も11月に前月比0.7ポイント上がった。

一部の回復が全体に広がるには在庫の動きが焦点となる。11月の在庫は前月比1.1%低下したが、在庫より出荷が大きく減少したため、出荷に対する在庫の比率を示す在庫率は1.8%上がった。金融危機後の2009年5月以来の高い水準に達した。鉄鋼大手は減産などで生産調整を進めており、業界では「2020年度上期まで内需の回復は非常に厳しい」(鉄鋼大手)との見方が多い。

メーカーの先行き予測をまとめた製造工業生産予測調査をみると、12月は前月比2.8%上昇を見込む。ただこの通りに生産が増えたとしても、10~12月期の生産は前の期から3.5%減る。四半期ベースでは2四半期連続の減産となり、2013年4~6月期以来6年半ぶりの低水準となる。

経産省が同日発表した11月の商業動態統計(速報)によると、小売販売額は前年同月比2.1%減った。前回の消費税率引き上げから2カ月目にあたる2014年5月の0.4%減より減少率は大きかった。増税前に駆け込み需要が膨らんだ百貨店の販売額は5.9%減、家電大型専門店は5.5%減と落ち込みが大きい。

11月は新型車の販売が好調だった自動車の生産が4.5%増えた。国内需要は年明け以降、五輪に向けて一定の回復が見込まれる。電子部品などに明るさが見られる外需の持ち直しが生産の先行きを大きく左右する。

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