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郵政3社長が引責辞任表明 長門氏「肝心の足元見えず」

(更新)

日本郵政の長門正貢社長ら郵政グループの3社長は27日記者会見し、辞任すると表明した。グループのかんぽ生命保険と日本郵便は同日、不適切な保険販売を巡り金融庁から3カ月の業務停止命令を受けた。3社長は経営責任をとる。持ち株会社の日本郵政社長には元総務相の増田寛也氏が就く。民間出身の3トップが同時に退き、民主導の経営は後退する形となる。

前総務次官が行政処分に関する情報を漏らした相手だった郵政の鈴木康雄上級副社長も辞任する。長門氏とかんぽの植平光彦社長、販売を手掛ける日本郵便の横山邦男社長とともに、2020年1月5日付で退任する。

長門氏は会見で「お客様に多大なご迷惑をおかけし深くおわびする」と謝罪した。不適切な保険販売を是正できなかったことには「肝心の足元を見ていなかった」と語った。

長門氏の後任に就く増田氏は岩手県知事や政府の郵政民営化委員長を務めた経験を生かし、郵政グループの立て直しを図る。ただ企業経営は初めてで、約40万人を抱える巨大組織をまとめられるかの手腕は未知数だ。

植平氏の後任はかんぽの千田哲也副社長、横山氏の後任は郵政の衣川和秀専務執行役が就く。いずれも旧郵政省(現総務省)出身だ。郵政は07年の民営化以降、民間出身の経営者を中心に改革に取り組んできたが、グループ4社のうちゆうちょ銀行を除く3社のトップが官僚出身者となる。

前総務次官から行政処分の情報を得たとされる鈴木副社長を巡っては、会社側が本人から経緯を聞いた。長門氏によると鈴木氏は「そんなことはしていない」などと説明したという。事実関係についてこれ以上の調査はしない。官民の不透明な関係について、詳細は分からないままだ。

金融庁がかんぽと日本郵便に業務停止を命じるのは初めて。1月から3月末までかんぽ商品の販売を差し止める。持ち株会社の日本郵政に対しても業務改善命令を出した。顧客に虚偽の説明をして保険料を二重に払わせるといった不正行為が広がっていたと認定。総務省も日本郵便に3カ月の業務停止命令、日本郵政に業務改善命令を出した。

処分を受けてかんぽと日本郵便は新規の保険販売ができなくなる。両社は7月から保険販売の営業を自粛。2020年1月の販売再開をめざしてきたが、再び延期される。郵便や貯金の取り扱いなど保険販売以外の業務は認める。

保険の不適切販売は6月に表面化。金融庁は9月からかんぽと日本郵便に対する立ち入り検査を実施した。この結果、保険業法違反67件、社内規定違反662件を認定した。郵政が18日発表した調査結果に比べ、違反件数はいずれも増えた。

金融庁はグループ3社の経営陣には経営責任を明確にするよう迫った。不正が広がった原因に過剰な販売目標や報酬体系など販売体制の問題をあげた。不正が疑われる行為が見つかっても適切に対応せず「コンプライアンスや顧客保護の意識を欠いた組織風土を助長した」と指摘。持ち株会社は不正販売の端緒を把握しても放置し、ガバナンス不全を招いたと断じた。

郵政グループは再発防止に向けて販売額を重視した営業目標や人事評価を見直すほか、販売員が顧客を勧誘する状況を録音管理する。不正がまん延した企業風土を刷新できるかが問われる。

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