三重で新種スナギンチャク まるで「エイリアン」

2019/12/27 9:21
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新種と判明した、ヤドカリに付着するスナギンチャク(2014年3月、三重県鳥羽市の鳥羽水族館)=同館提供・共同

新種と判明した、ヤドカリに付着するスナギンチャク(2014年3月、三重県鳥羽市の鳥羽水族館)=同館提供・共同

ヤドカリが背負っている赤茶色の奇妙な物体は、三重県鳥羽市の鳥羽水族館で飼育されていたスナギンチャクという生物だ。個体の提供を受けた琉球大のグループが遺伝子などを調べ、新種と判明。論文が今月、英国の科学誌に掲載された。

グループは、見た目が映画「エイリアン」に出てくる地球外生命体に似ていることから、劇中でのエイリアンの呼び名「ゼノモーフ」にちなみ、「エピゾアントゥス ゼノモーフォイデウス」と命名した。

琉球大院生の喜瀬浩輝さん(27)によると、スナギンチャクの一部の種は、ヤドカリの貝殻に付着して殻を溶かしながら成長することが知られている。貝殻は最終的に溶けてなくなり、スナギンチャクの中にヤドカリがすむ形になる。

新種と分かったのは、2014年1月に鳥羽水族館の学芸員、森滝丈也さん(50)が採集し、16年4月まで飼育されていた個体。熊野灘で操業中の漁船の底引き網にかかっていたのを森滝さんが見つけた。同館のブログに投稿された画像を見て「何だこれ」と驚いた喜瀬さんが提供を依頼した。

さまざまな方向に何本も出ている突起は長さ約2センチで、突起の端から端までは約10センチ。従来知られている種は突起が決まった方向にしかなく、大きさも全体で1~2センチ程度と小さいという。

「スナギンチャクはヤドカリを利用して移動でき、ヤドカリは成長に合わせて大きな貝殻を探す必要がなくなるなど、お互いにメリットがある共生関係にあると考えられるが、まだまだ生態には謎が多い」と喜瀬さん。

鳥羽水族館では10~17年に計6個体を飼育したことがある。森滝さんは「採集できるのは冬。入手できたら早速、展示したい」と話している。

〔共同〕

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