イラク大統領 辞任の意向、イラン系の首相指名を拒否

2019/12/26 23:11
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【カイロ=飛田雅則】イラクのサレハ大統領は26日、親イラン派の議員らが推薦する人物を首相に指名することを拒否し、大統領職を辞任する意向を表明した。ロイター通信などが報じた。10月以降続く生活苦を訴える抗議デモの怒りは、イラクの内政に介入するイランにも向かっている。サレハ氏はイランへの反発を強める民意に配慮した形だ。11月下旬に引責辞任を表明したアブドルマハディ首相の後任選びは難航しており、政治の混乱が続きそうだ。

辞任する意向を表明したイラクのサレハ大統領=ロイター

サレハ氏は辞任の意向を表明した理由について声明で「憲法は大統領に、推薦された首相候補者を拒否する権限を与えていないため」と説明した。イラクでは議員が推薦する首相候補を、国家元首の大統領が指名する仕組み。指名を拒否すれば憲法に反する恐れがあるため、辞任の意向を表明したとみられる。

2018年5月の総選挙後、イラク国会(定数329)で第2勢力となったイランに近いシーア派民兵組織を率いるアミリ氏の政党連合が推す人物を、サレハ氏は拒否したもようだ。イランは過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討を口実に、イラク内政に介入して影響力を拡大している。

10月から首都バグダッドなどで始まった反政府デモは、当初は電力や水など公共サービスの不足や、高い失業率に抗議するものだった。その後、「腐敗した親イランの政治家がイラクの石油の富を横取りしている」と主張するなど、イランにも市民の怒りが向かうようになってきた。

11月以降、イランの在外公館が放火など襲撃を受けている。デモ隊と治安部隊の衝突でこれまで450人以上が死亡している。サレハ大統領が辞任して政治空白が長引けば、ISなどの過激派組織が再び台頭する余地を与えかねない。

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