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埼玉2019回顧(上)16年ぶり知事交代 産業界にも変化の波

平成が終わり、令和が幕を開けた2019年は、埼玉県内の政治・経済にも大きな変化があった。県政では4期16年務めた上田清司知事が退任し、参院議員だった大野元裕氏が知事選で初当選した。経済界でもトップの交代が相次ぎ、基幹産業の自動車業界では経営統合など再編の動きが加速した。新しい時代の到来を予感させた県内の1年間のニュースを振り返る。

知事選で前参院議員の大野元裕氏(中央)が初当選した(8月、さいたま市)

19年は統一地方選と参院選が重なる12年に1度の「亥(い)年」にあたり、埼玉はさらに8月の知事選、10月の参院補欠選挙と大型選挙が続く「選挙イヤー」だった。

約12年ぶりにトップが交代した武蔵野銀行の加藤会長(右)と長堀頭取(5月、さいたま市)

なかでも関心を集めたのは上田氏の去就。当初は5選を目指すとの観測もあったが、6月に退任を表明した。8月の知事選は自民、公明両党が推薦したスポーツライターの青島健太氏と、上田氏や野党が支援する大野氏による事実上の与野党一騎打ちとなった。

仏フォルシアの傘下に入ったクラリオンの川端敦社長(右、当時)

選挙戦では青島氏有利との序盤予想を覆し、上田県政の「継承と発展」を掲げた大野氏が勝利を収めた。自民県議の一人は「都市部の無党派層を切り崩された」と悔やんだ。

上田氏は10月の参院埼玉選挙区補選に当選し、国政に復帰した。

経済界では07年から武蔵野銀行頭取を務めていた加藤喜久雄氏が会長に就き、長堀和正専務(当時)が昇格した人事が注目を集めた。長堀氏は加藤氏より15歳若く、デジタル化など金融業界の急激な環境変化への対応で手腕が試される。千葉銀行との業務提携など、加藤氏の強力なリーダーシップで進めた施策をどう深化させるかも注目だ。

経済団体のトップ交代も相次いだ。5月に埼玉県経営者協会会長、6月には埼玉経済同友会代表幹事、11月には埼玉県商工会議所連合会会長が交代した。同連合会会長に就いた埼玉りそな銀行の池田一義社長を含め、就任した3人はいずれも旧埼玉銀行(現りそなホールディングス)出身。15年に公的資金を完済したりそなグループの県経済界での復権を印象づけた。

自動運転や電動化といった「CASE」の大波に直面する自動車業界では、県内企業にもめまぐるしい再編の動きがあった。カルソニックカンセイ(さいたま市)は5月、欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の自動車部品部門のマニエッティ・マレリを買収。10月に社名をマレリに変更した。

日立製作所グループだったクラリオン(同市)が仏自動車部品大手のフォルシアの傘下に入ったほか、10月にはホンダ系のショーワ(行田市)、ケーヒン日信工業の3社が日立オートモティブシステムズとの統合を発表。今月18日にはいすゞ自動車がボルボ傘下のUDトラックス(上尾市)を買収すると発表した。

県内経済に詳しいぶぎん地域経済研究所の土田浩チーフエコノミストは「日本の自動車業界は莫大な投資に耐えうる規模の拡大と、グローバルな視点からの拠点再配置を迫られている」と指摘。そのうえで「(再編は)長い目で見れば望ましい動きだが、拠点集約や人員整理など、短期的に表面化する恐れのある負の側面にも注視する必要がある」と話す。

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