福島・双葉町、3月4日に初の避難指示解除 駅周辺など
(更新)

東京電力福島第1原発事故による全町避難が続く福島県双葉町は26日、町内にあるJR常磐線双葉駅の周辺など一部地域の避難指示を、2020年3月4日に解除することで国や県と合意した。双葉町で避難指示が解除されるのは初めて。
4月に避難指示が一部で解除された大熊町も26日、町内の大野駅周辺の避難指示を20年3月5日に解除することで合意した。
JR東日本はこの2駅を含む常磐線富岡―浪江で3月14日に運行再開し、約9年ぶりの全線復旧を目指している。解除される地域は限定的で住民帰還がすぐに進むわけではないが、伊沢史朗双葉町長は「第一歩を町民に示せた。復興の取り組みを進める」と述べた。
伊沢氏は東京五輪聖火リレーに関し「大会組織委員会や福島県に双葉町をルートに追加するよう要望したい」と語った。組織委は避難指示が解除されれば、追加する可能性があるとしている。
双葉、大野両駅周辺のほか、双葉町北東部の中野地区も避難指示が解除される。町によると、中野地区で帰還の意向を示す住民はいない。両駅と、両町内の解除エリアをそれぞれつなぐ道路も通行が可能になる。常磐線再開と合わせ、訪問者増加が期待される。
政府の原子力災害現地対策本部の松本洋平本部長が両町長らと26日に会い、合意した。
両町と同様に常磐線の不通区間に駅がある富岡町は20日、夜ノ森駅周辺など一部地区の避難指示を20年3月10日に解除することで国や県と合意した。〔共同〕
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