消える仕事、生まれる仕事 「職業」より個の力が鍵に
1964→2020(4)
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横浜市の翻訳者、上野哲也さん(53)は、自動翻訳ツールでドイツ語から日本語に変換した文章を前に「間違い探し」に目を光らせる。
「ポストエディター」。AIで飛躍的に性能が向上した機械翻訳だが、文脈を理解できずにおかしな訳文も吐き出す。それを修正する新しい仕事だ。上野さんは最近、ポストエディターとしての仕事の依頼が増えた。
もっとも、機械のミスをただ正すだけの作業なら、AIがさらに進化すれば不要になるかもしれない。上野さんは分厚い辞書と首っ引きで言葉の奥底の意味を考え、仲間とも議論しながら「機械の仕事」を手直ししていく。「人間にしかできないことを常に意識するようになった」
「タイピスト」「注文取り」「保険料集金人」――。大正大学地域構想研究所の中島ゆき主任研究員によると、前回東京五輪の1964年前後に「日本標準職業分類」に基づき
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