未来面「あたらしい時代です。」

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 日本経済新聞社は、読者や企業の皆さんと一緒に日本の課題について考え、議論する「未来面」をスタートしました。今期のテーマは「あたらしい時代です。」 革新的なアイデアをお寄せください。企業のトップが選んだ優れたアイデアは新聞紙面や日経電子版で紹介します。
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ずっと住み続けたくなる未来の家のカタチとは?
芳井敬一・大和ハウス工業社長 経営者編第9回(1月6日)

2020/1/6 2:00
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「いつかはマイホーム」というのは戦後サラリーマンの夢でしたが、人口減少時代を迎え、最近では空き家の増加が社会問題となっています。一方、住宅は人生における最も高い買い物ですから、愛着のある家に長く住み続けたいというニーズも高まっています。そこで私たちは「どうしたら長く住んでもらえるのか」ということを考えてきました。

住宅を初めて購入するのは30歳から40歳くらいの年齢です。子育てなどを考え、郊外の広い戸建て住宅に人気がありますが、子供が成育し夫婦だけになると、今度は利便性の高い都市部に移りたいと考える方もいらっしゃいます。ライフステージに合わせて家を住み替えていきたいというわけです。

芳井敬一 大和ハウス工業社長

芳井敬一 大和ハウス工業社長

欧米など海外では、同じ家に手をかけて長く住むという文化があります。石造りの家は木造住宅に比べ耐久性が高いという面もありますが、自分たちの成長に合わせて「住宅も育てていく」という考え方が背景にあるからだと思います。今の言葉でいえば「リフォーム」ということになるでしょう。

住宅の売買も、海外では日本ほど税金がかからず、リフォームしたコストを正しく評価する仕組みがあります。だから安心して家にお金をかけられるわけです。日本の木造住宅は20年もすると建物の価値がほとんどなくなってしまいます。こうした住宅の評価制度や税制は見直していくべきだと考えています。

では、どうしたら長く住んでもらえる家になるのでしょうか。それは終(つい)の住み家をどうするかということでもあります。私はそこで一番大事なのは恐らく「つながり」ということだと思います。家族とのつながり、地域とのつながり、そして趣味や仲間など、自分が生涯やりたいと思うこととつながっていられるかどうかが重要だといえます。

大和ハウス工業では昭和30年代から全国61カ所に「ネオポリス」という住宅団地を開発してきました。最近では高齢化が進んでいることから、そこに若い人たちを呼び込んだりして、ほかの世代とのコミュニケーションがとれるような街づくりの見直しを進めています。

2年前からは中古住宅の仲介や買い取り、リノベーションなどを手掛ける「リブネス」という事業も立ち上げました。人間に物語があるように、建物にも改装を施した「第二章」があってもいいと思うからです。それには自然災害に耐えられる耐震性や耐水性などの強化も重要です。

海外では家族構成の変化に合わせて部屋を足したり減らしたりできるコンテナ方式の家もあります。私たちもそうしたずっと長く住める家を提供したいと思っていますが、皆さんはどうしたらそんな未来の家ができるとお考えでしょうか。ぜひ皆さんの知恵で新しい家のカタチを教えていただければと思います。

■編集委員から

住宅を建設したり購入したりすることを口語では「家を建てる」「家を買う」と言います。実は、この「家」という言葉には3つくらいの意味があります。ひとつは文字通りの建物。2つめは「家庭」。そして3つめは「家系」とか「家柄」といった意味です。つまり単に住む場所というだけでなく、そこには家族の団らんや系譜といった意味が込められています。

芳井社長が「家にも物語があっていい」と言うように、人々が家に帰りたいと思うのは、そこに家族の思いやりや懐かしい思い出などがたくさん詰まっているからだといえます。背丈を測った柱のキズもまさにそうです。高齢化社会を迎え、家を長く大切にしていきたいという需要は、これからもっと高まっていくことでしょう。

そうした「ずっと住みたくなる家」にしていくためには、様々な工夫やメンテナンスも必要です。どうしたら自分の家を育んでいくことができるのか。どんな家なら住み続けたいと思うのか。ぜひ皆さんのアイデアやお考えをお寄せ下さい。

(客員編集委員 関口和一)

◇   ◇

今回の課題は「ずっと住み続けたくなる未来の家のカタチとは?」です。皆さんからの投稿を募集します。締め切りは1月14日(火)正午です。優れたアイデアをトップが選んで、1月27日(月)付の未来面や日経電子版の未来面サイト(https://www.nikkei.com/business/mirai/)で紹介します。投稿は日経電子版で受け付けます。電子版トップページ→ビジネス→未来面とたどり、今回の課題を選んでご応募ください。

未来面にこれまで寄せられた優れたアイデアを閲覧できる「Mirai アーカイブズ」(http://miraimen.nikkei.co.jp/)も開きました。経営者をハッとさせたり、うならせたりしたアイデアの宝箱を開いてみてください。

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