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保険もメタボに注意 見直しで大切なステップと順番

FPがお悩み解決

「必要な保障に必要な分だけ加入」が保険選びのポイント。国の社会保険も含めた「収支」を把握しよう

保険料を節約しようと保険を見直しているうちに、あれこれ保障を付けないと不安になり、結局は保険料がかさんでしまいます。(50代女性)

◇ ◇ ◇

回答者:ファイナンシャルプランナー 前野彩さん

保険の見直しで新商品を探しているうちに「やめた後に、何かあったらどうしよう」と不安になり、気が付けば、あまり必要性のない保障が付いたメタボ保険になっていた。そんな方は少なくありません。保険は1商品で数十万円から数百万円する「お買い物」。メタボ予防のカギは「保険料の総額」にあります。

仮に毎月5千円の保険料を30年間支払うとしたら、総額180万円です。終身払いの保険ならば、65歳時点の平均余命を踏まえ、男性は85歳、女性は90歳まで支払うとして計算してみると目安になるでしょう。その金額が安心料として納得できるなら、あなたにとって価値がある保険といえそうです。反対に「こんなに払うの?」と思うなら「保険に入ったつもり貯蓄」で、もしもの際に備えましょう。

ただしいくら保険がスリムになっても、もしもの際に保険が必要な経済状況なら、高い保険料でも入っておかないと自分や家族が困ります。一方で保険が不要な状況なら、保険料が安くても、無駄な支出になるかもしれません。

 保険で重要なことは、必要な保障に必要な分だけ加入すること。保険料の高い安いは必要な保障が分かった後の話です。(1)もしもの際の支出を知る(2)もしもの際の収入を知る(3)必要な保険の金額と期間を確認する(4)保険商品を選ぶ――の順に考えます。

医療が不安なら、仮に1カ月間入院した場合の収支を考えます。まずは(1)支出です。ここでは死亡の不安を例に考えてみます。残された家族の住居費や生活費、教育費など必要なお金の一生分を試算します。この合計額が「もしもの際に必要な支出」です。

次は(2)収入を計算します。遺族の収入や貯蓄、老後の年金などが思い浮かぶと思いますが、忘れられがちなのが国の社会保険です。

社会保険料として、個人事業主などは国民年金保険料年約20万円と健康(介護)保険料を納めます。会社員であれば給与収入の約15%、仮に年収500万円の会社員ならば、年約75万円を自分や家族のために納めています。おかげで家族は遺族年金が受け取れるのですから、加入している社会保険の中身は確認しておきましょう。独自に上乗せ給付の制度を設けている企業などもあります。

そのうえで保険の要否を検討します。支出が収入を上回れば、差額分が(3)必要な保険金額です。保険金額が必要な期間が一生か一定年齢までなのかを考え、保険期間を決めていきます。

保険を考える際に最も重要なのは(1)~(3)のステップを踏むこと。(4)の保険商品を選ぶ際、個別の商品から比較検討を始めてしまわないよう気を付けましょう。「A商品はB商品より200円高いけれど、こんな特約が付いている」。細かな商品の違いに神経をとがらせるあまり、メタボ保険になってしまうわけです。でも(3)の自分に必要な保険の種類と金額、期間を把握できていれば、それに合わせた保険を選べます。

遺族年金など社会保険の情報は、日本年金機構や各種健康保険のサイトなどで調べられますが、それでも保険の必要性を計算するのが難しい場合、ファイナンシャルプランナーの有料相談があります。具体的な保険商品の提案を受けたければ、保険会社や複数の保険会社を取り扱っている保険ショップなどの代理店が無料相談に応じています。

起こる可能性は低いけど、起これば貯蓄では補えないことへの「備え」が保険です。年末年始は今年の貯蓄額を整理するとともに、保険のメンテナンスをしてみませんか。

[NIKKEIプラス1 2019年12月28日付]

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