ロシアがクリミアに鉄道開通、ウクライナ反発
【モスクワ=小川知世】ロシアが2014年に併合を宣言したウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結ぶ鉄道橋が開通し、同国のプーチン大統領が23日、列車に乗って横断した。ロシアは輸送網などのインフラ整備によりクリミア併合を固める狙い。ウクライナは主権侵害と反発し、ロシアの橋経由でクリミアに入らないよう国際社会に訴えた。

クリミアとロシアの間のケルチ海峡を結ぶ鉄道は全長約19キロメートル。ロシアは18年5月に並行する自動車橋をすでに開通させている。プーチン氏は乗車後に演説し、20年に1400万人の乗客と1300万トンの貨物をロシアとクリミアの間で輸送すると表明した。「巨大な事業を実現する力がある」と述べ、大国ぶりを国内外に誇示した。
ロシアによるクリミア併合を欧米や日本などは認めていない。ウクライナ政府は23日、「ウクライナの主権と領土の一体性を損ねる」と非難する声明を出した。一般乗客を乗せたクリミア行きの列車もロシア北西部から同日出発しており、クリミアに出入りするにはウクライナ政府が管理する国境を通るように改めて国際社会に求めた。
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