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日中韓、FTA交渉を加速 協力深化には課題

【成都=杉原淳一】安倍晋三首相と中国の李克強(リー・クォーチャン)首相、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は24日、中国・成都で首脳会談を開いた。会談終了後に公表した成果文書には「日中韓自由貿易協定(FTA)の交渉を加速する」と盛り込んだ。ただ日韓では輸出管理、日中では次世代通信規格「5G」でさや当てを続けており、協力深化に向けた課題は多い。

安倍首相は首脳会談後の共同記者発表で「十分な付加価値を有する日中韓FTAを追求することを確認した」と述べた。日本にとって中国は1位、韓国は3位の有力な貿易相手国だが、日中と日韓の間にはFTAが結ばれていない。関税の引き下げや電子商取引のルールなどを整備することで、3カ国経済の潜在力を引き出したい考えだ。

中国は日本が参加し、米国が参加していない枠組みのFTAにはいずれも前向きだ。米中摩擦をにらみ、米国以外の国との仲間づくりを進めたい意向がある。

米国に対抗する狙いから、中国は独自の経済圏構想「一帯一路」を推進している。中国は米国に偏っていた輸出先を分散させる方針を掲げており、とくに日本向け輸出を伸ばしたい考えとみられる。

日本は日中韓に東南アジア諸国連合(ASEAN)などを加えた16カ国で交渉する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を実現させた後で、高いレベルの経済連携として日中韓FTAを成立させたい考えだ。RCEP交渉はインドとの調整が難航し、2019年中の合意を見送った。安倍首相は「(インドも含めた)16カ国での早期署名を目指す考えを述べ、努力を続けることを確認した」と話す。首脳会談では「(日中韓で)総じて前向きな姿勢が示された」(同行筋)という。

ただ、2国間で抱える課題が連携の進捗に影を落としている。

中国は5Gの通信網の整備を巡り、各国が華為技術(ファーウェイ)を締め出す動きに神経をとがらせる。日本は政府調達などでファーウェイを事実上締め出すが、さまざまなルートを通じて「なぜ安くて性能が良いのにファーウェイが採用されないのか」と日本への働きかけを強める。

23日の日中首脳会談でも、習近平(シー・ジンピン)国家主席は「公平、透明で差別のないイノベーションの環境をつくろう」と呼びかけた。念頭にはファーウェイがあるとみられる。

日韓は半導体材料の輸出管理厳格化などを巡る対立が続いているが、中韓も大きな懸案を抱えている。韓国が16年に米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の配置を決めてから中韓関係は冷え込んだままだ。中国はいまだに団体旅行客の訪韓制限や韓流コンテンツの締め出しを続けている。現代自動車やサムスン電子の中国事業も苦戦を強いられている。

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