第一人者の井山三冠破り自信に 囲碁・芝野虎丸王座 転機のチャーハンで名人獲得、勢いに乗り二冠も達成
新春棋談 会心の譜

囲碁・将棋
2020/1/1 2:00
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囲碁・芝野虎丸王座

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あけましておめでとうございます。

昨年、史上最年少で七大タイトルを獲得して「10代の名人」になり、王座も取って二冠になりました。周りには最年少記録を期待されていたので、達成できてホッとしました。

昨年5月、時代が「令和」になって、なぜか急に成績が上がりました。前年の棋戦優勝者と賞金ランキング上位が出場するグランドチャンピオン戦で大型連休中に優勝し、翌週には若手棋戦のおかげ杯を制しました。ともに非公式戦ですが大変な相手ばかり。まさか優勝できるとは思っていませんでした。

名人戦リーグでは4月までに2敗し、挑戦はないと思っていましたが、河野臨九段とのプレーオフにもつれ込みました。河野先生には4月、本因坊戦リーグのプレーオフで敗れています。その時はプレッシャーを感じていたのか、終盤で簡単な手が見えていなかった。名人戦は負けてもともと、気楽に打ったのが好結果につながりました。

張栩先生との七番勝負は初めてのタイトル戦で、2日制、前夜祭とすべてが初めて。第1局で敗れ、台湾の第2局は相手の応援を感じて精神的にキツくなっていました。

対局中、お昼に頼んだチャーハンが、すごく山盛りで食べきれませんでした。ふだんは出されたものは食べる、無理でもメーンは食べます。台湾ではみんな相手を応援しているし、チャーハンは食べきれないし、「もういいか」となった。それで吹っ切れたのか、そこから4連勝できました。

名人を獲得した流れで王座戦に入れました。井山裕太先生(現三冠=棋聖・本因坊・天元)と番勝負を戦えると決まったときは、すごくうれしかった。やはりふだんの対局とは違う空気感があります。今回、井山先生の気迫を感じられました。

第1局で勝ち、ストレート負けがなくなって気が楽になりました。第2、3局は初めての「連続対局」。第2局で負け、「翌々日にまたあるのかー」という気分で、うまく切り替えないと大変という感じはありました。

第3局は序盤の左下の折衝で少し打ちにくくしました。右辺の攻防になった局面で、黒1と動き出したのは悪手でした。白3の想定でしたが、白2と反発されます。黒3ともう一手かけたのに、白8で黒7子がほぼ動けなくなりました。

しかし中央で利きができ、▲を打った時から狙いの黒9で下辺に入りました。白Aと守るのも黒Bから生きと中央進出を両にらみにする手段があり、簡単ではありません。

白は10、12と左下をコウで補強しましたが、形勢が難しくなり、やる気が出ました。最後はヨセで妙手を発見し、結果的には運が良かったとしか言いようがないです。

日本の第一人者の井山先生に番碁で勝てたのは本当にうれしいし、自信になりました。海外での活躍についてファンの期待は感じます。昨年はなかなか国際棋戦に出られなかった分、頑張れればと思います。

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