打倒2強、世代交代目指す 将棋・永瀬拓矢王座 藤井七段との研究が奏功 叡王と併せ二冠に
新春棋談 会心の譜

囲碁・将棋
2020/1/1 2:00
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将棋・永瀬拓矢王座

将棋・永瀬拓矢王座

新年あけましておめでとうございます。

昨年は王座戦、叡王戦とタイトル戦に初めて2度出ることができ、よい経験になりました。竜王戦と王位戦がベスト4(王位戦は白組プレーオフ進出)で、もう少しやれなかったかという反省もありますが、前年よりよい結果が出てよかった。

(図は△6四歩まで)

(図は△6四歩まで)

会心の譜として紹介するのは、斎藤慎太郎王座(当時)に挑戦した王座戦五番勝負の第3局。2連勝で迎えた先手番で、できればここで決めたいと思っていました。

上の図のあたり、▲行方尚史八段(当時)対△藤井聡太七段戦(2019年2月の朝日杯戦)という類例があります。

ここまで、もちろん後手にも多くの選択肢がありますが、自然に指すとこうなるという「なりやすい」形。行方・藤井戦は後手の快勝でしたが、局面としては先手も悪くないのではと思い、(前例への)挑戦のつもりでした。この後、後手は攻めの銀をさばいてきますが、手数もかかっていますし銀交換は構いません。

進んで終盤、▲8三竜(下の図)と、9二から引いた手が印象に残っています。

後手玉は堅いので、急所をつかないと攻めは難しい。▲8三竜は後手玉との間に7三馬、5三香と自分の駒が2枚あって一見、攻めているように見えませんが、間の駒はすぐさばけます。

実戦では代わる手が見えず「仕方ない」つもりで指したのですが、この手が結果的に勝因になりました。

(図は▲8三竜まで)

(図は▲8三竜まで)

こういう手は(定期的に1対1の研究会を行っている)藤井七段が得意にしているイメージです。実戦でこういう手が指せたのは、藤井さんとの研究会の成果が出たのかもしれませんね。

この将棋に勝って王座を獲得。叡王に続いて結果を出せたのはとてもうれしかったですし、運がよかったとも思います。

今年はまずは叡王、王座の防衛ですね。それと、もう少し挑戦者決定戦まで進みたい。時がたつほど後輩が台頭してきます。

そこと勝負しているわけではないですが、回ってきたチャンスをつかめるかは、大きなポイントです。ちなみに、藤井七段は「後輩」ではなく、もうトップ棋士だと思っています。

渡辺明三冠(棋王・王将・棋聖)と豊島将之竜王・名人。この2人をどうにかしないと勢力図は変わってこない。自分は豊島さんと年はそんなに変わりませんが、早く"世代交代"を目指していけたらいい。

今年も、タイトル戦の最中にはよく食べると思います。視聴者の方にはそんな部分も楽しんでもらえたらいいですね。

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